暮らしのなかの健康法万般。赤ちゃんからお年寄りまでの病気の解説・予防・治療法。食生活、食品、サプリメント情報…など、面白くてタメになる実用エッセイ。

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2016年5月

子どものメタボ

  カエルとメタボ

ニュースのない日は動物園に行ってみる─というのが、昔の新聞記者心得の一つだった。

サル山のボス争いとかカバの大あくびとか、心和む閑種(ひまだね)を探す早道だったからだ。

また、スポーツ、芸能、流行、健康、子どもに関する話題は見逃さず記事にすべし─ともいわれた。

大方の読者共通の関心事だからで、これはいまでもそうだろう。

であるなら、子どもの健康は、さしずめ関心の2乗だろう。

「こどもはわれわれの未来であるとともに、われわれの過去でもある」と民俗学者、柳田国男は言っているが(『こどもと言葉』)、子ども(の現在)がわれわれの過去であるのなら、われわれ(の現在)は子どもの将来にほかならない。

「親を見りゃボクの人生知れたもの」なるメイ吟もある。

これを健康面に当てはめると、親が太っていると、子も太る。

カエルの子はカエル、メタボの子はメタボというわけで、その理由は、体質の遺伝と同一の食事環境だ。

子どもの肥満はそのまま大人の肥満につながりやすく、大人になってからの肥満よりも治しにくい。


 ママの責任

肥満児の背後には、たいてい肥満した親が控えている。

多くは母親だ。

理由は体質の遺伝と同一の食事環境。太りやすい体質を共有していて、いつも同じ物を同じように食べていれば、同じように太るのは当然の成り行きだろう。

子どもの肥満は、そのまま大人の肥満に移行しやすい。

脂肪細胞は、思春期まではその数が増え、それ以後は細胞自身が大きくなるといわれる。

つまり子どものときからの(脂肪細胞がいっぱい増えた状態の)肥満は、大人になってからの肥満とは違い、なかなか治しにくい。

成人後の肥満は、もっぱら当人の責任だが、子どもの肥満は、離乳食の食べさせ過ぎが基盤となって完成する。

責任は母親が負わなければならない。

離乳食については、もう一つ問題がある。

母親が自分の味覚に合わせて味つけをするため、しぜん塩分が多くなることだ。

で、日本人は赤ん坊のころから塩味好みになり、成人後の高血圧発症の原因になる。

高血圧予防は離乳食から─と説き続けた人が、循環器内科の大家、故五島雄一郎・東海大学名誉教授だった。


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小児事故対策

幼児期から小学生にかけての子どもの死亡原因の第1位は「不慮の事故」だ。

子どもの事故の内容は、年齢によって特徴がある。

多くは親の注意や環境づくりで防ぐことができる。

厚生労働省・健やか親子21推進協議会が作成した「子どもの事故防止対策」チェック表。

●1歳6カ月ごろの子への対策。

1 子どもを1人で家や車に残さない。

2 自動車に乗るときは、チャイルドシートを後部座席に取り付けて乗せる。

3 浴槽に水をためたままにしない。

4 医薬品、化粧品、洗剤などは子どもの手の届かないところに置く。

5 たばこや灰皿はいつも手の届かないところに置く。

6 ピーナッツやあめ玉などは手の届かないところに置く。

7 暖房器具(ストーブ・こたつなど)の熱が直接触れないようにする。

8 ポットや炊飯器は子どもの手の届かないところにおく。

9 ベビー用品やおもちゃを購入するときはデザインよりも安全性を重視する。

10 階段には転落防止用の柵(さく)を取り付ける。


 ●3歳ごろの子への対策。

1~6は1歳6カ月ごろの子への対策と同じ。

7 ストーブやヒーターなどは、安全柵(さく)で囲い、子どもが直接触れないようにする。

8 おはしや歯ブラシなどをくわえたまま走らせない。

9 すべり台やブランコの安全な乗り方を教える。

10 ベランダや窓のそばに踏み台になるものを置かない。


 ●1~4歳に起こりやすい事故と予防ポイント。

1 転落・転倒(ベランダや階段からの転落)=予防はチェック表の10─。

2 やけど(炊飯器や加湿器の蒸気にさわる。アイロン、ストーブにさわる。ポット、鍋をひっくり返す)=そうしたものに子どもが触れないようにする。

3 おぼれる(浴槽に落ちる、水遊び)=わずかな水でも残し湯はしない。浴室に外かぎをつける。水遊びの時は目を離さない。

4 誤飲・中毒・窒息(医薬品、化粧品、コイン、豆など)=危険なものは子どもの目にふれない、手の届かない場所に片づける。ピーナッツなど乾いた豆類を食べさせない。

5 交通事故(道路への飛び出し)=手をつないで歩く。


水虫出タゾ!

水虫の正体

水虫の季節が始まった。

5月の第3週に入ると、皮膚科を訪ねる水虫の患者が増え始める。

そして8月前半まで上昇を続け、お盆を過ぎると急に減るそうだ。

足の病気の実態を調べる皮膚科医の集まり─JFW(Japan Foot Week)研究会が行った2000年と06年の調査で、足の疾患で最も多かったのは、真菌感染症(水虫とつめの水虫)で0年は40%、06年は49%だった。

真菌とは病気の原因になるカビのこと。

水虫の正体─白癬菌(はくせんきん)もその仲間だ。

白癬菌がつくる皮膚病には足白癬(水虫)のほか爪白癬(つめの水虫)、手白癬(手の水虫)、頭部白癬(シラクモ)、体部白癬(ゼニタムシ)、股部白癬(インキンタムシ)とある。最も多いのはむろん足白癬で64%、次が爪白癬21%、体部白癬7%、股部白癬5%と続く。白癬菌問題は、足の水虫とつめの水虫にしぼられるといっていい。

昔は「水虫の薬を発見したらノーベル賞」と言われた。

今の水虫薬はまさにノーベル賞もの。

塗れば(または飲めば)必ず治る。


水虫の薬

今の水虫の薬は、塗れば必ず治る。

ただし、1日1回、4週間きちんと塗り続けないと完治しない。

だが2週間ぐらい塗ると、かゆみなどの自覚症状がなくなるので、薬をつけるのをやめてしまう。

治ったつもりでいると、翌年の夏に再発する。

また、水虫ではない湿疹(しっしん)などを水虫と思い込み、薬局で市販薬を求めて塗る人がいる。

治るはずがないし、薬にかぶれてかえってひどくなることもある。

市販薬にも医療用の薬と同じ成分が転用されている。

薬局で求めた水虫薬をつけて症状が軽快しなかったら「ニセ水虫」と断定していいそうだ。

足の皮がむけたり、かゆかったり、小さな水ぶくれができたりして、水虫かな? と思ったら薬局に行く前に皮膚科を受診しよう。

健保が効く分、薬も安い。

つめの水虫も間違えられやすい。

つめの変形を起こす病気は扁平苔癬(へんぺいたいせん)とか尋常性乾癬などけっこう多い。

皮膚科医でないと正しい診断はできない。

これには「飲む水虫の薬」が非常によく効く。


 水虫の巣

「うつりそう 風呂の足ふき 飛び越える」という水虫川柳がある。

温泉、サウナ、銭湯などの足ふきマットには100%、白せん菌(水虫の原因菌)がいる、と渡辺晋一・帝京大教授。

「私たちは水虫菌に囲まれて生活しているといっても過言ではない。きちんと治療しても再感染しやすい」。

結果、日本人に5人に1人は水虫持ちだ。

 だが水虫菌に囲まれて暮らしながら、5人に4人は水虫ではない。なぜか?

「一つの理由は、白せん菌の感染力が強くないからです。

銭湯などのマットで足に菌がくっついても、サンダルやげたばきで帰ってくるうち、足が乾燥して菌が落ちてしまう。

温泉場でもそうです。

宴会などで素足でいると、菌はあらかたはがれ落ちる。

しかし温泉場は朝が危ない。

朝、温泉に入って、菌をくっつけた足を十分乾かさずに靴下をはき、日中ずっと靴をはいていると水虫になる。

もっと危ないのはゴルフ場。

シャワーを使ったあとすぐバスや車に乗ると、足を乾かす間がない。

ゴルフ場から帰宅したら、足だけでも洗い流すことです」。



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