暮らしのなかの健康法万般。赤ちゃんからお年寄りまでの病気の解説・予防・治療法。食生活、食品、サプリメント情報…など、面白くてタメになる実用エッセイ。

バナー原稿 468×60 (140228)imp

2015年9月

睡眠に関する諸問題

眠らない国

旧聞で失礼。9月3日は「秋の睡眠の日」だった。

日本人の睡眠時間は、よく寝ているフランスに比べると1時間も短く、韓国に次ぐ世界2位の「眠らない国」だ。

なんらかの不眠症状に悩む人は、成人の30%以上。

眠れぬ夜が長く続くと、心身の健康をそこね、ひいては寿命にも影響する。「眠り短かければ、命短し」である。

不眠の解消には、睡眠薬を上手に使うのも一法。


睡眠障害のリスク

睡眠不足や睡眠の質の低下が続くと、高血圧や動脈硬化が進行、心血管疾患、がん、認知症など、加齢に伴い発症が増える疾患のリスクが上昇する。

また、睡眠障害は糖尿病の症状を悪くし、糖尿病は睡眠の質を悪くする。

で、睡眠障害を防ぐ薬は、睡眠の質だけでなく、糖尿病も改善すると報告されている。

最近の研究で、血糖値が高いほど、深い睡眠の時間が減少し、朝の血圧上昇が高まり、血管障害のリスクが増えることがわかった。


睡眠不足=老化

睡眠不足は生物学的老化を促進する。

たった一晩の睡眠不足が、生物学的老化を促進する。

質の良い睡眠を十分にとることが、老化を抑え、体を若々しく保つために必要だ。

米カリフォルニア大学の精神神経免疫学センターのジュディス・キャロル氏らが、米国睡眠医学会の年次集会で発表した。

61~86歳の男女29人に4夜、研究施設に滞在してもらって行った実験によって、たった一晩の睡眠不足でも、細胞が分裂し、新たな細胞を産生する「細胞サイクル」が阻害され、細胞の損傷が増えることが明らかになった―という。

過去の研究では、睡眠不足により、皮膚の細胞の染色体が不均等になり、肌の弾力性が失われることが確かめられている。

「人は誰もが老いますが、たった一晩の睡眠不足で老化スピードが加速し、病気にかかりやすくなることが生物学的に確かめられました。

一般的に一晩に7~8時間の睡眠をとることが勧められています。

今回の研究は、生活習慣病の予防・改善に、睡眠を十分にとる必要がある理由を解明したものです」と、キャロル氏は話している。


歩いて睡眠改善

睡眠の量と質を高めるために効果的なのは、運動を習慣として行うことだ。

ウォーキングなどの運動をする習慣のある人は、十分な睡眠をとっている傾向があることが、約43万人の米国人を対象とした調査で明らかになった。

米ペンシルベニア大学のマイケル・グランドナー博士らは、生活習慣病の予防や健康促進の効果的な方法を探るために行われている大規模研究に参加した42万9110人のデータを解析した。

参加者に過去1ヵ月間にどのような運動をしたかを質問し、睡眠時間の平均を尋ねた。

結果、運動を習慣として行っている人は、睡眠時間を十分にとっている傾向があることがわかった。

過去の研究では、平均睡眠時間が7時間以下であると、健康状態が悪くなることが示されている。

ウォーキングなどの運動を習慣として行っている人は、7時間以上の睡眠時間を確保している割合が高かった。


体のリズムと睡眠

ヒトの体には、「概日リズム」(サーカディアンリズム)と呼ばれる、ほぼ24時間のリズムで体内の環境を調整する機能が備わっている。

体内時計の周期と24時間の周期との間のずれを修正できない状態が続くと、望ましい時刻に入眠し、覚醒することができなくなる。

運動や身体活動を毎日行うと、概日リズムが調整されやすくなり、夜の決まった時刻に自然に眠れるようになる。

「交感神経が活発に働いている時間である夕方、特に夕食後に運動をすると、心拍数の増加と筋肉の血流量の増加により、体脂肪の燃焼率が活発になり効果的です。食後の血糖値の上昇も抑えられます」と、グランドナー博士。

ウォーキング以外にも、サイクリングやランニング、筋力トレーニング、エアロビクス、ガーデニング、ヨガ、ピラティス、ゴルフなどの運動も効果がある。

ただし、家事や育児に関連した身体活動が多過ぎると、睡眠不足のリスクが上昇することも分かった。

仕事や家事で毎日が多忙で手一杯であると、概日リズムが乱れやすくなる可能性がある。


「ウォーキングを毎日行うだけでも、睡眠の量と質を改善できます。

さらにランニングやヨガなどの目的のある運動を組み合わせると、より効果的であることが分かりました。

逆に運動不足は睡眠の質を下げる要因になります。運動習慣をもたない人は、いますぐ運動をはじめるべきです」と、グランドナー博士はアドバイスしている。


スポンサードリンク

「秋バテ」&「秋やせ」

ようやく涼しくなったのに、「疲れがとれない」「体がだるい」「食欲がない」など体調不良の人...。

それ、「秋バテ」かもしれません。

昨秋、ウーマンウェルネス研究会が行った意識調査では、半数以上の53.8%の人が、秋に不調を感じています。

そのうちの9割が、夏の不調が回復せず、秋まで引きずっている人たちでした。

一方、夏には不調を感じず、秋になってから不調を感じる人は8.1%と少数派。

冷房の当たり過ぎや冷たい物の食べ過ぎで、体を冷やし過ぎて、体調を崩したケースがとても多いことがわかりました。

麻布ミューズクリニック名誉院長の渡邉賀子先生は、以下のように指摘しています。

「秋バテには、夏は元気に過ごしたのに秋になると燃え尽きたように不調が顕在化する<燃え尽き型>と、夏バテが回復せず秋まで不調を引きずる<だらだら不調型>の2タイプがあります。

昨秋は<だらだら不調型>が多数派でした。

秋バテのタイプは、その年の夏の気候や、個人の体力によって異なるため、どちらのタイプも注意が必要です」。

秋バテの体調回復は「体を温めること」。

温かい物を食べ、ぬるめのお湯にみぞおちから下をひたす、ゆっくり半身浴で体を温めましょう。

夏やせが続いている人はいませんか?

「やせ」は健康状態を推測するわかりやすい指標の一つです。

ダイエットしているわけではないのに、体重が減少してくるときには、どこか体に故障があるのかもしれません。

健診を受けてください。



Page: 1
TOPPAGE  TOP 
RSS2.0