暮らしのなかの健康法万般。赤ちゃんからお年寄りまでの病気の解説・予防・治療法。食生活、食品、サプリメント情報…など、面白くてタメになる実用エッセイ。

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2015年7月

傷と傷跡ケア

湿潤療法

夏休みが始まった。日本中のすべての子どもに呼びかけたい。

ゲームを捨てて、外で遊ぼう!

そこでちょっと心配なのが、ケガ。

元気な子ほどすり傷や切り傷をつくりやすい。

そんなときの応急手当は?

昔は、傷口を消毒し、薬を塗り、ガーゼを当て、包帯を巻いた。

これ、マチガイ。

今は、まず水道水で傷を洗う(ほこりや土にはばい菌がいるので、きれいに洗い流す)。

そのあと被覆材(バンドエイド・キズパワーパッドなど)を当て、ばんそうこうで固定する。

そうすれば傷口から出る浸出液で適度に潤いが保たれ、痛みも少なく、治りも早い。

モイスト・ヒーリング(湿潤療法)という。

だが、この適切な処置方法を半数以上の人が知らなかった。

傷跡ケアの保湿化粧品「バイオイル」の輸入代理店ジャンパールが行った意識調査(全国600人=10代~60代の女性、各年代100人)によると、

水道水でよく洗う=44.5%。

消毒する=46.3%、だった。

傷は皮膚が欠損した状態だ。

それを修復するためのさまざまなしくみが働き、皮膚細胞が再生し、新しい皮膚ができる。

傷口にしみ出てくる体液(浸出液)のなかには、細胞の成長を促し、皮膚を修復するためのいろいろな成分が含まれている。

消毒は浸出液の働きを妨げ、傷の治りを遅らせる。

傷を覆い、湿潤環境を保てば、浸出液が働いて、傷は早くきれいに治る。

繰り返す。家庭で治せるような傷は、水道の水でよく洗い、被覆材を貼るのが一番。

被覆材の用意がなかったら、台所のラップを使えばよい。

意識調査では、やけどの応急手当も聞いた。

「水道水で冷やす」と、96.5%が正しく答えたが、

「30分以上冷やす」は、600人中わずか11人(1.8%)。

「5分以内」が最も多く、235人(39.2%)だった。

余熱でやけどを進行させ悪化させないためには20~30分水道水で冷やすのがよい。

そのあとはすり傷などと同じように湿潤療法を行う。

ただし、日本熱傷学会の調査では、やけどを食品用ラップなどで覆って治す湿潤療法で、かえって症状が悪化する例があることがわかったという。

調査委員会の安田浩・産業医大准教授(形成外科)は、

「湿潤療法の効果は確かめられているが、正しい知識を持つ医師が医療用シートでやらないと危険だ」と注意している。

すり傷・切り傷も、傷口が深かったり、ギザギザになっていたり、ガラスや木くずが刺さっている場合も病院に行ったほうがいい。

傷は適切な処置をすれば、以後は痛まないのが普通だ。

もし、半日か一日もたってから傷口がズキズキと痛んだりするようだったら、細菌の2次感染が始まっていると考えて医師に診てもらうべきだ。

「傷跡ケア」

さて、そうして傷ややけどが治ったあとのケアもだいじだ。

表皮までの軽い傷は、かさぶたをつくらない湿潤療法をすれば傷跡は残らないが、真皮、皮下組織に達した傷は跡が残る。

適切な治療をしたあと、傷跡のある肌を乾燥と紫外線からきちんと守れば、傷跡がひどくなるのを防いで、できた傷跡も薄くできる。

だが、そうした「跡ケア」で傷跡が目立たなくなることを知っていたのは、およそ2割の132人だけ。

残りの468人(78%)は「知らない」と答えた。

「正しい知識さえあればきれいな肌を保つことができるのに、残念なことです」と、ジャンパールの人は言っている。

どうしたらいいか?

傷跡を目立たなくする3ヵ条。

①絶対にダメ! 乾燥!

乾燥大敵! ベタつかずにオイル分を補える美容オイルや、ローション、クリームで保湿を。

②絶対にダメ! 紫外線!

紫外線は過剰な修復の原因になるので遮断が鉄則。

完治後は、日焼け止めや衣類でカバーするよう心掛けましょう。

③絶対にダメ! 摩擦!

摩擦も、引っかくのもNG! 引っかき傷は意外に目立つ傷跡を残します。医療用テープやパッドで保護を。

「どんな傷も治った後は、セルフケアが傷跡を左右します。傷跡を目立たなくする3ヵ条を、毎日の習慣にしましょう」



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