暮らしのなかの健康法万般。赤ちゃんからお年寄りまでの病気の解説・予防・治療法。食生活、食品、サプリメント情報…など、面白くてタメになる実用エッセイ。

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2013年4月

燦燦、傘寿の少年小説

 宗田理さんの最新作『悪ガキ7 いたずらtwinsと仲間たち』を読んだ。思う存分暴れまわる子どもたちから元気をもらった。楽しかった。「遊ぶ子供の声聞けば,我が身さへこそ揺るがるれ」である。

 物語の舞台は、東京の片隅に取り残された小さな別天地(その名も「葵」!町)。大川と運河に囲まれ、関東大震災も東京大空襲も奇跡的にまぬがれて、古い神社やお寺、お化け坂やかっぱ池、迷路のように入り組んだ路地......、そこらじゅうが子どもたちの絶好の遊び場だ。

 悪ガキセブンの一党は全員小学5年生。

 そば屋の娘、双子のマリとユリ、八百屋の息子でけんかの強いマサル、葬儀屋の息子で将棋の達人ヤスオ、洋食屋「くい亭」の次男で食いしん坊のヒロ、ケーキ屋のケンタはちょっぴり弱虫がむしろ長所、古本屋の博学娘サキ。

 大人も子どもものんきに暮らす平和な町に、ある日とつぜん、事件が持ち上がる。

 町がつぶれるかもしれない「スーパーがやって来る」に始まり、いじめっこに立ち向かう「幽霊大作戦」、隣町を仕切るワル高校生らとの「秋葉神社の決闘」......悪ガキ7人組の正義のいたずらが躍動する。

「近ごろはいたずらする子がいなくなった。いじめをいたずらと勘ちがいしている子がいるけれど、それは大まちがい。弱い者を寄ってたかっていたぶるのはひきょう者のやること、いたずらは強い者、悪い者を相手にするのだから、知恵と勇気とユーモアがなくてはならない」と、彼らを応援するミーおばさんは、学校の前にある文房具屋兼忘れもの屋の店主、以前は小学校の先生だった。

 おばさんの孫でロンドン育ちのイケメン高校生、サッカー選手の涼介も強い助っ人だ。

「葵町のような町があったら、そして、こんな悪ガキたちがいたら、きっと子どもたちの世界は今より明るくなるのではないだろうか。

 そんな思いで書いたのが悪ガキセブンです。」と、同書の「あとがきにかえて」はいっている。

 子どもたちもさぞ愉しく面白がって読んでいるだろうが、作家自身、めっぽう楽しく面白がったのではないだろうか。

「書きながらすごく楽しかったんじゃないですか」とメールを送ったら、

「そう、この物語は、今までになく楽しんで書きました。いつもはこんなふうにはいきません」

 やっぱりなあ、すごい人だなあ、この人のなかでは昭和ヒトケタの子ども心が生きてるんだなあ、ウルマン顔負けだなあ、と思った。

 いまや知らぬ人とてないあのサムエル・ウルマンの詩『青春』に、いわく、

 青春とは人生のある期間ではなく、心の持ち方を言う。

 いわく、

 年を重ねただけで人は老いない。理想を失うとき初めて老いる。

 また、いわく、

 六〇歳であろうと一六歳であろうと人の胸には、驚異に魅かれる心、おさな児のような未知への探究心、人生への興味の歓喜がある。

 さらに、いわく、

 頭を高く上げ希望の波をとらえる限り、八〇歳であろうと人は青春にして已む。
             (訳・作山宗久)

 宗田さんと知り合ったのは、1959年の4月である。おたがい、まだ20代だった。

 当時は「ソーさん」のほうが三つか四つ、年上だったはずだが、いまはこちらが30も40も年上になっている。

 詩『青春』はサムエル・ウルマン78歳の作品だという。"傘寿の少年"宗田理は80歳を超えてまだまだ書き続けるだろう。

 つくづくすごい人だと思う。



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