暮らしのなかの健康法万般。赤ちゃんからお年寄りまでの病気の解説・予防・治療法。食生活、食品、サプリメント情報…など、面白くてタメになる実用エッセイ。

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2012年11月

衣服の起源

 ◎衣は弱かれ

 きょう11月29日は、語呂合わせで「いい服の日」だ。

「裸のサル」の人間が衣類をまとうようになったのは約7万年前だったという説がある。

「現生人類がアフリカから世界中に広がり始めたのが約10万年前、アフリカより涼しい地域に住むようになって衣類を考案したのではないか」と研究者は言っている。

 衣服の起源の「気候説」だ。

 人間がなぜ服を着るようになったかについては、そのほか羞恥(しゅうち)説、武装説、装飾説、貞操観念説、儀礼説など九つの原因説がある。

 素人考えでは気候説が最も説得力があるように思われるが、専門家によれば、どれも一理はあるが、その反論もあり、要するに衣服の起源はそれらの総合といえるそうだ。

 起源はともあれ、衣服の役割はまず皮膚を守り、体温を保つこと。

 そのうえでTPOに応じてふさわしい服装をすればよい。

 健康衣類の基本は、体をしめつけないこと、動きやすいことだろう。

 幼児のころ、新しい服を着せてもらうその都度、母親が、

「ころも(衣)は弱かれ、み(身)は強かれ」と唱えたことばを思い出す...。


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悩みの種と不快感

 ◎頭皮実態調査

 頭髪コンプレックスのせいか(いや、もはやそんなものからは脱却してるのだが)、秋深むころにはきまって「木の葉髪」という季語が頭に浮かぶ。

「冬の抜け毛を落葉にたとえていう」と俳句歳時記にはあり、冬の季語とされているが、気持ちにしっくりくるのはやはりいまごろだ。

 木の葉髪もうやり直しきかぬ日々 後藤綾子 

 持田ヘルスケアが全国の20~60代の男女1030人に行った「頭皮実態調査」によると、清潔感という面から日ごろ意識していること(複数回答)は、髪=81%、口臭=69%、体臭=66%、汗=62%の順。

 現代人の清潔感の二大要素は「髪」と「におい」のようだ。

 髪や頭皮について気にしていること・悩んでいることは、男性は白髪と薄毛で、女性は白髪に次いで髪型のスタイリングや髪の質感だ。

 だが、他人のことで不快に思ってしまうのは、男女ともに髪ではなく「頭皮のにおい」「ふけ」「べたつき(脂っぽさ)」で、他人の白髪や薄毛を不快に思う人は2~3%とごく少ない。

 他人に不快感を与えないためには、髪よりも頭皮のケアを重視しなければいけないようだ。


 ◎男は頭、女は顔

 20~60代男女を対象とした持田ヘルスケアの調査結果を繰り返すと、

 自分の白髪や薄毛は悩みの種でも、他人のそれを不快に思う人はごく少ない。

 他人について最も不快に感じるのは、頭皮のにおい、ふけ、べたつき(脂っぽさ)で、そのシチュエーションは、電車やバスなどで居合わせたとき=354件、そういう人が隣や目の前にいるとき=234件、人ごみの中にいるとき=210件と続く(いずれも1030人の自由回答)。

「電車やバスの中で隣の人から嫌な顔をされたら要注意! 髪ばかり気にして、頭皮をおろそかにしていませんか?」と、持田サンは注意を促している。

 髪と頭皮のケアに欠かせないのはシャンプーやリンスだが、それに使う1カ月の平均額は、男性=978円、女性=1215円。一方、洗顔料、化粧水、乳液、クリームなどの基礎化粧品のそれは男性=743円、女性=3422円で、これにファンデーション、口紅、まゆ墨などのメーキャップ化粧品を加えると、女性は頭よりも顔にはるかに多額の投資をしていることがわかる。


耳鳴り順応療法

◎サウンドジェネレーター

 夜の霜しんしん耳は蝉の声

 遠方に電話の鈴の鳴るごとく 今日も耳鳴る かなしき日かな

 小林一茶59歳の歳末の一句と、石川啄木の処女歌集「一握の砂」中の一首だ。

 一茶はセミ、啄木はベル。

 音は違うが苦痛は同じ。

 夜となく昼となく鳴り続ける、本人以外には聞こえない頭の中のしつこい神経音に苦しみながら耐え続けている人が、何十万人もいる。

 進歩した現代医学もこれにはほとんどお手上げで、耳鳴りは医者泣かせの症状の最たる一つでもあるようだ。

 近年、これに克つ治療法が開発された。

「耳鳴りを意識しないように」トレーニングすれば、耳鳴りは気にならなくなるのではないかという考えを、アメリカの医師が提唱し、TRT(Tinnitus Retraining Therapy=耳鳴り順応療法)という治療法を考案した。

「サウンドジェネレーター(SG)」という耳かけ型補聴器に似た形のものを、1日6~8時間装着する。

 重症の患者でも3カ月後「耳鳴りにだんだん慣れてきた」、6カ月後「普通に生活できるようになった」、1年後「耳鳴りがしていることを忘れる」といった経過の成功例が多いと、新田清一・済生会宇都宮病院耳鼻咽喉科部長が、プレスセミナーで話した。

 なお、

 耳鳴りはなぜ起こるか?

 耳鳴りの診断法と治療法。

 耳鳴りを改善するための日常の注意点。

 ─については、坂田英治・埼玉医科大学名誉教授の『耳鳴りを治す本』(マキノ出版)に詳しい。


活力運動習慣

 ホントは一昨昨日の「活力食生活」につづけたほうがよかったのだが、きょうは運動の話。

「高齢者は走ってはいけない」

「血圧の高い人はダンベル運動などは控えたほうがいい」といった制限は一般論としては正しい。

「しかし、それは場合によっては年齢差別(エイジズム)や健康差別(ヘルシズム)になりかねず、ご本人の意欲を失わせる可能性があります」と、田中喜代次・筑波大大学院教授(スポーツ医学)。

 高血圧、心臓病、糖尿病、脂質異常症などの運動療法の例を挙げるまでもなく、病気をもつ人も適切な運動はぜひ行うべきで、要介護や寝たきりの予防にも有効だ。

 田中教授が勧める運動は、ウォーキング、ジョギング、ステップエアロなどの有酸素運動と、ホームエクササイズ(筋トレ、ダンベル、自転車など)を、やや息がはずむ程度に─。

 心拍数の目安は、(220-年齢)×0.7に+-30。

 60歳の人のばあい、160×0.7=112の+-30で82~142になる(と、電卓が教えてくれた)。

 一種目限定でなく、二種目以上を毎日の習慣にする。

 時間帯はいつでもいいが、理想は夕方とのこと。

「続けていると体力の変化に気づきます。快眠・快便・仕事意欲がアップします」

 ぼちぼち、そろそろ、いそいそ、やってみよう。


服薬実態調査

 子どもの薬の服用に注意を払う保護者は9割以上(93%)だが、自分の服薬については無頓着である人が少なくない。

 くすりの適正使用協議会が、全国の小・中学生の保護者600人(25~59歳)へのインターネット調査でわかった。

 子どもの薬については、1人で勝手に服用しないこと=63%、用量を守る=56%、服用時間を守る=50%と、きちんと気をくばっている人が多かった。

 一方、親自身は72%が処方薬の服用を止めたことがある。

 理由は、回復したと自己判断し止めた=84%、効き目がなかったので止めた=12%、面倒になったため止めた=10%など、自分の判断で服用を止めていた。

 また、家族の余った処方薬を服用した経験がある人は40%で、そのうち7775%が「誰にも相談せず」、25%が「誰かに相談してから服用した」だったが、その相談相手として最も多かったのは家族=84%で、医師、薬剤師=1313%をはるかに上回った。

 また、薬の服用法についても大いに問題ありだった。

 薬は水・ぬるま湯でのむというのは、常識的に知られているはずだが、そうでないのみ方をする人が、よくある=27%、時々ある=40%と7割近い。

 最も多いのは日本茶=52%で、スポーツドリンク=30%、コーヒー=17%、紅茶=10%の順。

「水やぬるま湯以外の飲み物でくすりを服用するのは、くすりの吸収が遅くなったり、効き目が弱くなることがあります。極力避けるべきです。

 また、くすりの種類によっては、決められた期間、服用し続けなければいけないものがあります。

 例えば、血圧が下がり、体調が改善されたと勝手に判断し、降圧剤の服用を途中で止めると、再び血圧が上昇してしまう恐れがあります。

 同じ疾患でも、その時々の体調や、既往症などによって処方される薬の種類、組み合わせが変わる場合もあります。

『家族が服用していたから、自分が服用しても問題ない』と安易に考えるのは危険です」と、同協議会はコメントしている。


優しい薬

高齢者と薬

 65歳以上の高齢者の3人に2人(67.4%)が病院で処方された薬をのんでいる。

 男女1000人(男53%、女47%)に対する東大大学院の澤田康文教授(医薬品情報学)らの調査結果だ。

 降圧薬の33.44%を筆頭にコレステロール低下薬19.8%、睡眠薬9.8%、胃腸薬9.2%、糖尿病薬7.5%、骨粗しょう症薬5.2%、前立腺肥大症薬5.2%、狭心症薬4.8%、ぜんそく薬2.1%、心不全薬1.9%、片頭痛薬0.9%、その他19.1%だ。トータルが118.9%になるのは、複数の薬をのんでいる人が少なくないからだ。

 そうした薬の服用時に嫌な思いをしたことがある人が男性では42%、女性では60%。内容は、のどや食道につかえた、苦い味、変な味がした、口の中に残って不快、大きくてのみにくい、1回にのむ薬の数が多くて大変だ...など。

 それでも90%以上の人は、なんとか我慢して服用しているが、どうしてものむことができず、その薬の服用を中止したという答えが7.6%もある。

 口腔内崩壊錠

 薬がのどにつかえてのみ込みにくく、服用を止める人さえいる。

 同じようなことは乳幼児でもみられる。

 水分摂取が制限されているため、服薬に難渋する患者もある。

 そうした人や障害をもつ人などが容易に服用できる「バリアフリー製剤」として開発されたのが、口に入れるとすぐ溶ける口腔(こうくう)内崩壊錠(OD錠)だ。

 突発的症状のとき、水がなくてものめることから、一般薬にも応用され始めている。

 この第1世代OD錠からさらに進化した第2世代の製剤技術を適用したのが、降圧薬のアムロジンOD錠(大日本住友製薬)。

 高血圧患者の3分の2は高齢者だから、首都圏の老人ホームなどで65歳以上の男女410人に、製剤見本を用い個別に聞き取り調査を行い、つかみやすく、のみやすい、総合的によい錠剤の大きさを決めた。

 体にまひの残る人にものませやすく、介護が楽になったとの家族の声も聞かれるそうだ。

 「家族の気持ちで薬づくりを考える」が、同社のモットーだという。


活力食生活

 活力年齢を若く保つために改めるべきことは、

 1 食生活(食べ過ぎ、栄養不足)。

 2 運動不足。

 3 睡眠不足。

 4 喫煙だ。

 はノープロブレムという人も多いだろう。

 食事を改善し、自分に合った適切な運動を続けていく生活習慣によって、確実に若返ることができる。

 ──と、田中喜代次・筑波大大学院教授(スポーツ医学)。

 筑波大学式スマートダイエットの食事改善(4群法)は、肥満者のためのものだが、そうでない人でもよい効果が得られる。

 食事の内容を1群=乳・乳製品。

 2群=魚介類、肉類、豆・大豆製品。

 3群=野菜、果物、いも、海藻類、きのこ。

 4群=穀類、砂糖、油脂、その他に分類。

 1群=1、2群=1~2、3群=1~2、4群=3~4の割合で食べる。

 これを1日のメニューにしてみると、朝=卵、牛乳、リンゴ半分、野菜サラダ、トースト。

 昼=魚料理(サケ、ブリなど)みそ汁、ひじきの煮付け、米飯一膳。

 夜=豆腐、肉料理、みかん、きのこいため、みそ汁、おにぎり1~2個といったふうになる。


活力年齢

 高齢者の3人に2人が病院で処方された薬をのんでいる。

 いちばん多いのは高血圧の薬で3人に1人、コレステロールを下げる薬が5人に1人、睡眠薬が10人に1人、胃の薬、糖尿病の薬、骨粗しょう症の薬、前立腺の薬もけっこう多い。

 しかし半面、病院通いとは無縁の高齢者も3人に1人はいるわけで、わが身辺の小世界にも、そんな健康人間が何人も見つかる。

 実年齢よりも活力年齢(バイタルエイジ)がぐんと若い人たちだ。

 活力年齢とは、動脈硬化危険因子(血圧、コレステロール値、血液サラサラ度、内臓脂肪)と、体力諸要素(骨密度、関節可動域、筋力、平衡性、持久力─ひらたく言えば、骨がしっかりしていて、手足がよく動き、力が強く、体がふらつかず、長続きする)の水準を統合して求める指標。

 要するに「体の若さ」度だ。

 活力年齢を若くする必須条件は、まずメタボ脱出。

 それには、「一に食事(適正食)、二、三がなくて、四にしっかり運動、禁煙。五に医療(薬)です」と、田中喜代次・筑波大大学院教授(スポーツ医学)は話した。


睡眠障害の治療法

 高齢者、とくに認知症老年者にみられる睡眠・覚せいリズムの障害は、極端な場合には昼夜がまったく逆転して、夜に起きだし昼間は眠っている。

 あるいは一日中眠ったり、覚めたりを繰り返したり、反対に一日中ほとんど眠っていないといった状態がみられる。

 このような睡眠障害にはしばしば徘徊(はいかい)をしたり、大声でどなったり、他人をなぐったりするなどの乱暴な行為、あるいはせん妄(一時的に精神が興奮・錯乱する状態)がみられる。

 そうした睡眠・覚せい障害が起きるのは、生体時計の機能が十分はたらかないためだ。

 社会生活の第一線から退いた高齢者、とくに認知症老年者は、他人と接したり、体を動かす機会が減り、またあまり外に出ずに家にいると十分な明るさが得られず、さらに視力などが低下するとよけい明暗が区別しづらくなる。

 治療法としては、老年者と接触する時間を多くし、話しかけたり、一緒に作業するなどの手段を用いて働きかける方法や非常に明るい光を浴びる高照度光療法などがある。

 家庭で実行できることも多く、効果を上げているという。


生体リズム

 年をとると、寝つきがわるい(入眠困難)夜中にしばしば目覚めてトイレに立つ(中途覚醒=せい)、朝早く目覚める(早朝覚醒)などの睡眠障害が増える。

 そのため日中にぼんやりしていたり、眠気のためしばしば昼寝をすることになる。

 そうした睡眠障害の原因はさまざまで、夜間の頻尿や睡眠時呼吸障害、足の不随意な動き(むずむず脚症候群)、関節痛などの身体的要因、神経症やうつ病などの精神的な要因が挙げられる。

 そうした身体的、精神的要因がない場合も睡眠障害が起こることがある。

 睡眠・覚醒リズムの障害だ。

 ヒトや動物では睡眠・覚醒、体温などさまざまな生体機能が約1日を周期としていて、そのリズム(サーカディアンリズムという)は、脳にある〃生体時計〃によって調節されている。

 健康な人は、昼夜の明暗を区別する、昼間に仕事をする、他人と接触する、食事をとる、時刻を知るというような手がかり(同調因子)をもとに毎日、24時間の生体リズムをつくっている。

 高齢になると、生体時計がうまく作動しなくなるため、生体リズムが崩れて、睡眠障害が起こりやすいと考えられている。



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