暮らしのなかの健康法万般。赤ちゃんからお年寄りまでの病気の解説・予防・治療法。食生活、食品、サプリメント情報…など、面白くてタメになる実用エッセイ。

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2012年3月

免疫力点検

 空気中には多くの細菌やウイルスが混ざっている。

 四六時中それを吸っても元気でいられるのは、体を守る免疫力のおかげだ。

 免疫力が落ちてしまうと、感染症などさまざまな病気の危険にさらされる。

 風邪をひきやすく、治りにくい。

 疲れやすい。

 微熱がある。

 肌が荒れやすい。

 便秘がち。

──こんな不調は免疫力の低下と関係あるかもしれない。

 生活習慣から免疫力をチェックしてみよう。

 ①何となく気分のさえない日が続いている。

 ②休日は人と会わずに、家にこもって過ごすことが多い。

 ③外食が多い。

 ④野菜嫌い、または肉や魚が嫌い。

 ⑤揚げ物やスナック菓子が大好き。

 ⑥生活時間が不規則で、夜更かしぎみ。

 ⑦特にこれといった運動をしていない。

 ⑧自動車通勤などで歩く機会が少ない。

 ⑨最近、職場環境に異動などがあった。

 ⑩残業が多く、ストレスがたまっている。

 ⑪大きな道路や工場の近くに住んでいる。

 ⑫きちんと睡眠をとっているはずなのにすっきり目覚めない。

 チェック項目が多いほど免疫力が下がっている可能性がある(日本成人病予防協会の刊行物より抜粋)。

 まずは、きちんと食べて、よく眠ろう。


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カキと亜鉛

 この冬は、カキもよく食べた。

 カキには亜鉛が多く含まれている。

 亜鉛は人体に欠かすことのできない約20種の金属の一つで、欠乏すると子どもは十分に成長しないし、皮膚病や味覚障害(味を感じなくなったり、何も食べてないのに口が苦くなったりする)を起こす。

 亜鉛欠乏は、睾丸や卵巣の発育を悪くし、性的機能に大きな影響を及ぼすこともわかっている。

 で、亜鉛は"セックスミネラル"ともいわれる。

「ホルモンの分泌が盛んな青年では、亜鉛欠乏による性機能の低下ははっきり現れないかもしれないが、

 性ホルモンの分泌が減ってくる中高年では、亜鉛欠乏がもろに響いてくる。

 亜鉛を十分とれば目の下の青黒いくまもとれる。

 血液中の電解質のバランスがよくなるからだ」

 と、ある専門家は話した。

 亜鉛を含む食品としては魚介類、肉類、牛乳、玄米、ぬか、豆などがある。

 日本人が日常の食品から取っている亜鉛は1日約10ミリグラムだが、必要量は15ミリグラム。

 計算上は毎日1個、カキを食べるとよいことになるらしい。


ネギとセレン

 この冬はネギをよく食べた(食べさせられた)。

 風邪をひかなかったのはそのおかげだ、と強く主張する者(女性一名)もある。

 そうかもしれない。

 インフルエンザに感染させたネズミの実験で、ネギのエキスを与えた群は、与えなかった群に比べ症状が軽く、早く治った、とか。

 動物園では、寒さに弱いチンパンジーにネギを食べさせた、とか。

 新聞で読んだ。

 ネギやタマネギに比較的多く含まれるセレンは、近年注目のミネラルだ。

 生体になくてはならない炭素や酸素や水素など26の「生体必須元素」のうち、きわめて微量ながら不可欠の元素(微量必須元素)が15ある。

 セレンもその一つだ。

 化学的性質は硫黄に似ていて、欠乏するとうっ血性心筋症になりやすく、乳がんや肺がんなどによる死亡率も高まる。

 精液中のセレン濃度が低いと精子の数も少なく、不妊に関係しているかもしれないという。

 また、ビタミンEのような抗酸化作用もあるらしい。

 過酸化物ができないようにするのがEで、減らすのがセレンだ、と聞いた。

 セレン今昔談

 昔、セレンは有害物質とされた。

 土壌中にセレンを多く含む地方があり、そこに生えたセレン含量の高い草を食べると、家畜のヒズメが落ちる中毒症状が起こる。

 この家畜の風土病は、マルコポールの「東方見聞録」にも記されてあるほど古くから知られていた。

 だがその原因は、土地の水がアルカリ性であるためと誤認され、「アルカリ病」と呼ばれた。

 1930年に真因が明らかになり、以来、セレンは動物に対しては常に毒性を示すものとされてきた。

 50年代後半になって、鶏、羊、牛、豚などにみられるある種の病気(白筋病、食餌性肝障害その他)が、少量のセレンを与えると、予防や治療ができることがわかった。

 そうした病気は、土壌中のセレンが乏しいために生じるセレン欠乏症で、ニュージーランドやスカンジナビア諸国に多いそうだ。

「昨日の敵は今日の友」ではないが、かつては有毒元素とみなされたセレンが、栄養学上必要な微量元素であると認められたわけだ。

 しかし、その生理作用には不明な点が少なくなかった。

 近年の研究で、セレンの生理作用がかなり解明された。

 一つは、赤血球の中のグルタチオン過酸化酵素の構成分としてセレンが含まれていて、セレン欠乏症の動物の赤血球は、この酵素の活性が低いことが分かった。

 セレン欠乏症は、セレンを与えると治るし、ビタミンEの投与によっても防いだり治したりすることができる。

 二つを併用すると効果がさらに大きくなることから、ビタミンEとセレンには共通の性質─抗酸化作用があると考えられる。

 体の中で脂肪が酸化された過酸化脂質が増えると、赤血球が壊されて貧血が起こる。

 肝臓や心臓の機能が低下することもある。

 セレンを含むグルタチオン過酸化酵素は、細胞内に生じた過酸化脂質を取り除く働きをする。

 過酸化脂質からつくられる老化物質リポフスチンの生成を抑える作用もあるといわれる。

 セレンは、肉や魚、貝、トマト、ネギ、タマネギ、ニンニク、キノコなどに比較的多く含まれる。

 偏食せず、普通に食べていれば、セレンに限らず、ビタミンもミネラルも欠乏することはない。


酒と肝臓と脳

 酒は共犯!

 今日もまだすこし寒い。

一昨日の「半畳記」によれば、「日本橋、深川界わいの桜は、まだ蕾がかたい」そうだ。

 ことしの冬はほんとうに長かった。

 桜もハラを立ててごねてるのだろう。

 でも、昨日は、「深川の芭蕉稲荷では桜が咲いていた」とのことで、赤い鳥居の横木と水彩絵具を流したような青い空に挟まれて、丈高くひょろりと伸びた木が2、3本、葉のない枝々に目いっぱい花をつけている。(写真をご覧あれ)

 ことし最初の花見をさせてもらった。

 ──というわけで、

「酒なくて何の己が桜かな」

 花見には酒がつきものだが、酒には肝臓病がつきもの、なんてことにならないようにしたい。

 昔は、肝臓病の「主犯」はたいてい酒と見なされた。

 いまは肝臓病の7割以上は肝炎ウイルス由来のもので、肝がんの原因の8割はC型肝炎とわかっている。

 肝臓に余分な脂肪がたまる脂肪肝も、昔はもっぱら酒の飲み過ぎとされた。

 アルコール性脂肪肝炎(ASH=アッシュ)と呼ばれる。

 いまは飲酒歴がないのに肝硬変や肝がんに進展する非アルコール性脂肪肝炎(NASH=ナッシュ)が問題になっている。

 では、多くの肝臓病に関して、酒は無罪なのか?

 残念ながらどうもそうではないようだ。

 米国立保健研究所(NIH)は、酒の飲み過ぎがC型肝炎を発症させたり、病状を悪化させたりすることが実験で確かめられたと発表している。

 C型肝炎ウイルスに感染した肝細胞にアルコールを加えると、特殊なたんぱく質の遺伝子が活性化し、ウイルスの増殖が起こり、肝炎が発症する。

 また、C型肝炎の治療に使われるインターフェロンの働きをアルコールが妨げることもわかった。

 酒は重大な共犯といわねばならない。

 肝炎ウイルス検査が陽性であったら、C型肝炎はもとよりB型肝炎の人も禁酒すべきだと専門医は強調している。

 ブラックアウト

 酔うと同じ話を何度も繰り返す人がいる。

 当人はとても楽しそうなのだが、聞かされるほうはたまったものではない。

「我面白(われおもしろ)の人困らせ」というやつだ(白状すると実は当方も......)。

 酔いとは、一言でいえば脳がマヒした状態。

 アルコールによって抑制がとれ、理性や常識といったタガがはずれる。

 無口な人がおしゃべりになったり、話がくどくなったりするのは、脳のコントロール装置がマヒするためだ。

 このとき、感覚脳の右脳の働きがストップして、言語脳の左脳しか働かなくなる傾向がある。

 で、頭に浮かんだことは全部言葉にしないと気がすまず、とめどなくしゃべり続けることになる。

 酔っぱらうと、そのときのことはほとんど覚えていないし、思い出せない。

 このような酩酊時の一時的な記憶欠損をアルコール性ブラックアウトという。

 血液1デシリットル中のアルコール含有量が200~300ミリグラム(血中アルコール濃度0.2~0.3%)を超えると現れる現象だ。

 個人差もあるが、日本酒にして5合以上飲んだときが、ヤバい。

 お互い、気をつけまひょ。

 肝臓と運動

 昔は、肝臓病患者はまず安静、食後2時間は横になっていなさいなどと指示された。

 1日3食、それをやっていたら6時間だ。

 普通に働いている人に、働いてはいけないと言っているようなものだった。

 むろん安静が必要な肝臓病もある。

 ①急性肝炎の初期から回復期まで。

 ②慢性肝炎が急に悪くなったとき。

 ③肝硬変で腹に水がたまる、足がはれる、尿量が減る、黄だんが出る、熱が出る、体がだるいなどの症状があるときだ。

 その他の肝臓病の人は、運動しなければイカンゾーと専門医は言っている。

 脂肪肝はもとより、急性肝炎の回復後、慢性肝炎でウイルス治療がうまくいった後や病状が落ち着いているとき、肝硬変でまだ症状が出てないとき──に運動すれば持久力(心臓と肺の機能)が向上し、健康感が回復する。

 肝機能も改善し、免疫能が上がり、ウイルスに対する抵抗力もつく。

 肝臓病の人の日常生活5カ条は、

 1 睡眠をじゅうぶんに、

 2 バランス食を規則正しく、

 3 食後30分は静かに、

 4 禁酒、

 5 適度な運動でストレス解消を──ということだった。


ロンロン笑話

 私事だが、小生の眼球は、しばしば持ち主の意志とは無関係にそっぽを向いてしまう。

 間欠性外斜視だ。

 郷里の屋久島語では「ひんがらめ」といい(「ひがめ」の転訛か?)、東京弁などでは「ロンパリ」という。

 ドーバー海峡航行中の船上の客の、左目はロンドンへ、右目はパリへ向いているということか。

 だが小生の場合は、両眼共に一方向へキョトンと向くらしい。

 だから君のはロンパリじゃなくて「ロンロン」だよ、と友人の漫画家は言った。

 ロンロンだかパリパリだか知らないが、おかげでときどき妙な目に合う。

 先だっても通夜の座敷で、心重く、故人に受けたご恩の数々を思い返していたら、

「あら、気づきませんで...」と、

 座卓のはす向かいの女性が、彼女の前に置かれた一緒盛りのすしの桶を、こちらへ押しやってくれた。

 初対面の美人の親切がうれしく、別に欲しくもないすしを、

「あ、どうも...」と1、2個、小皿に取り分けたのだが、次の瞬間、あっ! と心中、叫声を発した。

 沈痛な思いとはうらはらに、ロンロンの目が物欲しげにすし桶に貼りついていたに違いない。

 場所柄、笑って弁解することもできず、いや、参ったデス。

 幼児の斜視

乳幼児の目は、黒目が内側に寄り、白目が消えて「内斜視」にみえることが多い。

 日本人の子どもは鼻のつけねの発達が遅いためだ。

「斜視ではないか」といわれ、眼科に連れてこられる子の半分ぐらいはその「偽斜視」だという。

 斜視ではないので、大きくなって鼻すじが通ってくると、わからなくなる。

 だが、内斜視のようにみえる幼児の目のすべてが偽斜視ということはない。

 本当の斜視も混じっている。

 それは放っておいてはいけない。

 片方の目だけを使っていると、もう一方の目の視力の発達が悪く、弱視になる例がとても多いからだ。

 おかしいと思ったら、斜視の専門家のいる眼科で検査を受けるべきだ。

 斜視には多くの種類があり、それによって治療の方法も違ってくる。

 遠視が原因で起きる調節性内斜視は、眼鏡をかけるだけで対応できる。

 偽斜視や調節性内斜視と本物の斜視を見分けるのは、専門家でなければ難しい。

 本物の斜視は手術になるが、目を動かす筋肉を少しずらすだけの簡単なもので、合併症などの危険もほとんどない。

 ぜひ早めに眼科へ─。


権利と責務

「患者の権利」を取り上げたいが、参考になる本は? と週刊誌の編集者に聞かれた。

 ぜひ一読すべきは、

 ①アメリカ病院協会の「患者の権利章典」

 ②世界医師会の「リスボン宣言」

 ③東京都立病院倫理委員会の「患者権利章典」などだ。

 日本医学ジャーナリスト協会編「患者の権利宣言と医療職の倫理綱領集(日英文対照)」(興仁舎=2200円+税)に収録されている。

 ①は──、

 一 患者には、温かく迎え入れられ、尊重される権利がある。

 二 患者には、担当医師から診療に関する最も新しい情報を得る権利がある──と始まる12カ条。

 ②は──、

 1 良質の医療を受ける権利(a.すべての人には、差別なしに適切な医療を受ける権利がある──など6カ条)。

 2 選択の自由の権利(a.患者は、民間、公的部門を問わず、担当の医師、病院、あるいは保健サービス機関を、自由に選んだり、変更する権利を有する。
 b.患者はいかなる治療段階においても、他の医師の意見を聞く権利を有する)──など11項目にわたる詳細かつ徹底的提示。

 ③の東京都立病院倫理委員会「患者権利章典」は、患者の「権利」を示すとともに患者の「責務」についても「お願い」をしている。

 1.だれでも、どのような病気にかかった場合でも、良質な医療を公平に受ける権利があります。

 2.だれもが、一人の人間として、その人格、価値観などを尊重され、医療提供者との相互の協力関係のもとで医療を受ける権利があります。

 3.病気、検査、治療、見通しなどについて、理解しやすい言葉や方法で、納得できるまで十分な説明と情報を受ける権利があります。

 4.十分な説明と情報提供を受けたうえで、治療方法などを自らの意思で選択できる権利があります。

 5.自分の診療記録の開示を求める権利があります。

 6.診療の過程で得られた個人情報の秘密が守られ、病院内での私的な生活を、可能な限り他人にさらされず、乱されない権利があります。

 7.研究途上にある医療に関し、目的や危険性などについて十分な情報提供を受けたうえで、その医療を受けるかどうかを決める権利と、何らの不利益を受けることなく、いつでもその医療を拒否する権利があります。

 8.良質な医療を実現するためには、医師をはじめとする医療提供者に対し、患者さん自身の健康に関する情報を、できるだけ正確に提供する責務があります。

 9.納得できる医療を受けるためには、医療に関する説明を受けても、よく理解できなかったことについて、十分理解できるまで質問する責務があります。

 10.すべての患者さんが、適切な医療を受けられるようにするため、患者さんには、他の患者さんの治療や、病院職員による医療提供に、支障を与えないよう配慮する責務があります。

 8と9の患者の「責務」については説明の必要はないだろう。

 10の補足説明で、「章典」はこう述べている。

「病院では、職員が数多くの患者さんにさまざまな医療を提供しています。

 そのため、患者さんは通常の社会生活にはない制約を受けざるをえないこともあります。
 このことを十分ご理解いただき、適切な医療の提供にご協力くださるようお願いいたします。」

 婉曲な言い回しだが、要するに自分勝手なワガママは言うな、他の患者の治療に干渉するな、ということだろう。

 問題の医者がいれば、問題の患者もいる。

 ドクターハラスメントにモンスターペイシェント。

 むろん、そんなものはほんの一握りの連中でしかないのだが。


医者と薬と患者

 昔、こんな話を聞いたことがある。

 ある製薬会社が、新薬の治験を多くの病院に依頼したところ、一人の医師だけが、ほとんど効かないばかりか、副作用が多過ぎるといってきた。

 不思議に思って、当の先生を訪ねてお話を拝聴するうち、理由が納得できた。

「まるで時代劇の悪代官に白衣を着せたような居丈高な物言いをされる先生で、こんな医者がくれる薬にロクなものがあるわけない、患者さんたちみなさん、そう思われたのではないでしょうか」
 ──と、そんなような話だった。

 これとは正反対の実例もある。

 スペインのある病院で、慢性胃炎の患者に、これはプラセボ(偽薬)です──と告げたうえで、

「でも、治るかどうか、試してみましょう」とのんでもらった。

 結果、八割の人の自覚症状が改善した。

 なぜか?

 本郷道夫・東北大学医学部教授の説明は、こうだ。

「それは、実験を行ったメアリンという先生への信頼感です。

 この先生にならすべて任せても大丈夫と信じてのんだから、偽薬とわかっていても、それだけよくなったのです」


通じぬ悩み(2)

 高齢者の便秘

 かつて金沢医大老年病学教室が調べた「年代別排便回数の比較(週)」を見ると、

 幼児 7回以上=60%、4~6回=35%、0~3回=5%。

 成人 7回以上=70%、4~6回=25%、0~3回=5%。

 70歳以上 7回以上=15%、4~6回=35%、0~3回=50%。

 高齢者の半数は1週3回以下だった。

 年をとると、なぜ便通が激減するのか?

 同教室の関本博教授(当時)が挙げた理由は、

 ①硬い物を食べなくなり、食物繊維の摂取が減る。

 ②腸内の食物を下へ送り便を出す「ぜん動運動」を行う腸管の平滑筋の数が中年以降へり始めて、70歳ぐらいでは、若いころの6割程度になる。

 ③腸内細菌のビフィズス菌とか乳酸菌のような善玉菌が少なくなり、腸の動きを悪くするウェルシュ菌などが増える。

 ④便が腸の中に長く滞留するため、水分が吸収されて硬くなる。

 要するに、便の材料になりにくい軟らかい物を好んで食べところへもってきて、胃腸の働きが悪くなり、腸内には悪玉菌が増え、便が硬くなる。悪条件がいくつも重なるというわけだ。 

 便秘促進食!?

 お年寄りが、うどんとかそばのような軟らかい物を好み、あまり硬い物は食べたがらないのは、歯が弱いということもあるが、年をとると、すぐエネルギーになる糖質を欲するように体が変わってくるのだろうと、専門家は言っている。

 でんぷんや砂糖のような糖質は、食べると体の中ですぐブドウ糖に変わってエネルギーになる。

 だが、脂肪がブドウ糖に変わるには、複雑な過程を経なければならない。

 たんぱく質も、脂肪ほどではないが、アミノ酸からアミノ基とかカルボキシル末端というようなものをはずして、燃料として燃えやすくするには、ちょっと時間がかかる。

 要するに脂肪やたんぱく質をエネルギーに変えるには手間ひまがかかる。

 お年寄りには体質的に合わなくなってくる。

 で、体の燃料としていちばん使いやすい糖質──うどんのような軟らかくて繊維質の少ない、便をつくる材料の少ない物への好みが強くなる。

 つまり体の欲求として、便秘を促進するような食事になっている。

 便秘を解消するには、まず食事内容を変える必要があるようだ。

 便秘解消法

 便秘を解消する効果的な方法を三つ、専門家に挙げてもらった。

 1 朝食前に冷たい水を飲む。

 レントゲンで胃の透視をしているとき、氷のうを腹に当てると、ピピッと胃が動く。

 同じように冷たい水を飲んでも胃腸が動いて、排便を促す。

「年寄りの冷や水」というのは、水の中に入ったりするのがよくないので、飲む分にはいいはずだ。

 便の軟らかさを保つためにも、水分は十分、補給すべきだ。

 2 運動して体をよく動かすこと。

 運動は"ウン動"、運動しないと腸も動かない。

 お年寄りの便秘の一因は運動不足。

 これを解消するには歩くのが一番だ。腹筋運動も効果的。

 仰向けに寝て、上体を心持ち起こしてヘソを見る。

 数秒こらえて元に戻し、繰り返す。この動作を朝晩、寝床の中で─。

 腹の上に「の」の字を書くように手のひらでマッサージするのも、よい。

 3 食物繊維を多くとる。

 絶対的推奨品は、おから。

 これを天然塩で味つけし、ニンジン、ゴボウと煮込む。

 便秘に効くだけでない、健康食としても最上の一品だ。

 便秘と塩

 先年、便秘や胃炎の治療に使われている医療用医薬品「酸化マグネシウム」をのんだ高齢者らが、意識を失うなどの高マグネシウム血症を起こし、2人が死亡するということがあった。

 マグネシウムは、腸の中に水分を引き寄せて、腸の運動や排便を助ける効果がある。で、マグネシウムの化合物(酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム)が便秘症の治療に用いられる。

 各製薬会社の推計使用者は年間延べ約4500万人。

 症状の性質上、長期服用になりがちで、意識障害、不整脈、呼吸抑制、血圧低下などが起きる可能性がある。

 長期服用者に対しては、血液中のマグネシウム濃度の測定など十分な観察を─と厚労省は指示した。

 ところで、昔の天然塩の中にはマグネシウムがたくさん入っていた(だからすぐしっけてべとついた)。

 それが糞便中の水分を保持して便を軟らかくした。

 便秘に悩む人は天然塩を用い、食物繊維の豊富な物を食べるとよい。

 一押しは、さっきいった、おからだ。天然塩で味つけしたおから料理を!


通じぬ悩み(1)

「たかが便秘」ではない!

 快食・快眠・快便は、健康の最もわかりやすいバロメーターだ。

 おいしく食べて、よく眠って、スッキリ出ると、今日も元気だ! と実感できる。

 反対に、食欲がなく、夜は眠れず、全然出ない─となると、日々の生きるよろこびは、はなはだしく損なわれる。

 厚生労働省の国民健康・栄養調査によれば、便秘に悩む人は660万人、そのことを隠している人や自覚のない人を含めると、1000万人を超えるのでは推測される。

 10代後半から30代前半の女性に最も多く、40~50%を占めている。

 若い女性の2人に1人が、いつもあの妙にうっとうしい不快感に悩まされているとは、なんともお気の毒......。

 なのに、厚労省調査では、便秘に悩む女性のうち病院で治療を受けている人は約3割、4割は市販薬を飲み、3割弱は治療をしていない。

 受診しない理由は、

 ①恥ずかしい。②たかが便秘。③便秘薬なら薬局で入手できるなど。

「便秘がつらいと言って病院に来る人はごく少ないのですが、ほかの病気で便秘を訴える人はとても多い。

 睡眠、食欲、便通、そして女性の患者さんには生理、この四つは問診の際必ず聞くわけですが、便秘をしていると答える人はたくさんいます」と、佐々木大輔・弘前大学医学部教授(消化器内科)。

 便秘は、単にあの妙にうっとうしい不快感だけではなく、肌荒れもひどくなるし、腹痛を起こし、頭痛の原因にもなる。

 ときに大腸がんなど重大な病気が隠れていることもある。

 ストレスによって便秘が起こることもある。

 たかが便秘、と軽視してはいけない。


 便秘の種類

 便秘は、腸管に病変がある「器質性便秘」と、病変のない「機能性便秘」に大別される。

 普通にいう便秘は機能性便秘のことで、便が大腸に長くとどまり、水分が吸収されて硬くなった状態だ。

 器質性便秘の原因でいちばん気をつけなければいけないのは、大腸がんだ。

 イヤな感じの便秘が何日も続くようなときは、便潜血検査、内視鏡検査、尿や血液の一般検査などきちんと診てもらおう。

 機能性便秘には、腸の動きが悪い「弛緩(しかん)性便秘」と、腸が動き過ぎる「痙攣(けいれん)性便秘」がある。

 弛緩性便秘は、1便意が少ない、2腹部に軽い不快感があるが、痛みはない、3便が硬くて、太い、4市販の下剤を飲むと具合がよくなる、5食物繊維の多い食事を取れば通じがよくなる─といった症状がみられる。

 一方、痙攣性便秘は、1しばしば腹痛や不快感が生じ、2排便するとその症状がなくなる、3便が硬くコロコロしている、4残便感がある、5腹が張るのに通じがない、6ストレスがたまっている─といったふうだ。

 便秘薬を正しく使うには、自分の便秘はどのタイプか正しく知る必要がある。


PMS対処法

 基礎体温の高温期は、黄体ホルモンの分泌が増え、月経前症候群(PMS)と呼ばれる心身の不調が生じる。

 イライラする、泣きたくなる、怒りっぽくなる、愚痴っぽくなる、落ち着かない、集中できない、不安になる、家事が面倒になる、運転が荒くなる、乳房がはる・痛い、頭痛、肩こり、腰痛、腹痛、腹がはる、下痢・便秘、むくみ、肌荒れ、眠くなる、体がだるい、疲れやすい、体重が増える、甘い物が食べたい......さまざまだ。

 周期的にめぐってくるこのつらい時期を乗り切るにはどうしたらいいか。

 ●症状がPMSによることを理解し、その時期を予測する。

 ●考え過ぎないようにする。

 ●適度な気分転換。

 ●適度な運動。

 ●無理をしない。

 ●糖分・水分を取り過ぎない。

 ●カフェインを取り過ぎない。

 ●ビタミン、食物繊維を取る。

 ●窮屈な服は着ない。

 ●婦人科を受診、適切なピルや漢方薬(加味逍遥散など)を処方してもらう。

 ●ハーブの利用(アロマテラピー)など。

 以上、昨日と今日の月経関連の記事は、「オムロンヘルスケアニュース」を参考にした。



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