暮らしのなかの健康法万般。赤ちゃんからお年寄りまでの病気の解説・予防・治療法。食生活、食品、サプリメント情報…など、面白くてタメになる実用エッセイ。

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女性の病気

一人で悩まないで!

尿もれ克服の日

2月20日は「尿もれ克服の日」だった。

尿もれを克服した元患者の団体「ひまわり会」が、

「女性の4人に1人が尿もれに悩んでいる現状をふまえ、女性の尿もれに関する認識を広く一般に深め、尿もれで悩む女性がゼロになること」を目的として設定した。

220を、ニ、モ(2=two→too)、レ(0)と読む語呂合わせだそう。

ジョンソン・エンド・ジョンソン社がサポートする、女性の健康に関する電話サービス「ウーマンズ・ヘルスパートナー・コールセンター」に寄せられた、1年間の全相談の約31%が「尿もれ」だったという。

尿もれには、腹圧性尿失禁と切迫性尿失禁がある。

腹圧性尿失禁は、重い物を持ち上げたり、クシャミをしたり、笑ったり......など、おなかに圧力がかかり、膀胱がグッと収縮する瞬間、もれてしまうもので、女性の尿失禁の70~80%は、これ。

最大の原因は、出産だ。

出産のときの産道損傷や骨盤底筋(骨盤内におさまっている子宮、膀胱、膣、尿道、直腸などを支え、尿道をしめている筋肉群)の下垂が、年を重ねるにつれて大きくなるのだという。

──であるなら、それはつまり人間のいのちをつないだ、母なるひとの証し、なのである。

子よ、老いた母の尿もれをあだおろそかに思うなかれ!

笑ったりしたらバチが当たるぞ!

もう一つの切迫性尿失禁は、尿意を感じたとたん尿が漏れそうになり(切迫尿意)、漏らしてしまうもので、排尿を調節する自律神経が狂って、膀胱の異常収縮が誘発されるために起こる。

女性では腹圧性との混合型として10%ぐらい、

男性では、前立腺肥大症や前立腺がんの症状として、ままみられる。じつは当方も体験者。その切ない苦痛は、拙著『「がん」はいい病気』(マキノ出版)に笑述した。

人に知られたくない...、トシのせい...、と一人で悩んでいられるご婦人が多いようだが、尿もれは、適切に対処すればかならず改善される。

尿失禁の専門外来、女性泌尿器科、泌尿器科・婦人科連携のウロギネ外来(Urologie=泌尿器科、Gynecologie=婦人科)を訪ねるとよい。

その前に知りたいことなど、ネットで調べたり、電話でたずねたりするのもよろしいでしょう。

「ウーマンズ・ヘルスパートナー・コールセンター」が、「骨盤臓器脱・尿もれ」に特化した電話相談サービス「ウロギネホットライン(無料)」は、

電話番号=0570-056-922

受付時間=月曜日~金曜日(祝祭日を除く)の午前10時~午後4時。

WEBサイトは、http://www.traube.co.jp/

骨盤臓器脱

骨盤の中にある子宮、膀胱(ぼうこう)、尿道などの臓器がだんだんと下がってきて、最終的に膣(ちつ)を通って膣壁と一緒に体外に出てくることがある。

体外に出た臓器の種類によって「子宮脱」「膀胱瘤(りゅう)」「尿道瘤」「小腸瘤」「直腸瘤」に分けられる。

まとめて「骨盤臓器脱」と呼ばれる。

骨盤内の臓器(膀胱、子宮、直腸)が落ちないように支えている骨盤底筋群が、出産によって傷ついたり、加齢や肥満によってゆるむことにより、尿や便がもれてしまったり、骨盤内臓器が膣から身体の外へ出てきてしまう。中高年の女性に多くみられる病態だ。

膣(ちつ)の辺に何か異物があるように感じる、午後になると、おなかの中が下がってきたように感じる、座ると陰部の辺で何かが押し込まれる感じがする、尿が出にくくなった、残便感がありスッキリしない、

─といったいままで経験したことのない違和感を覚えることがあったら、骨盤臓器脱かもしれない。

最も多くみられる膀胱瘤では、尿もれや、逆に尿が出にくい、出るのに時間がかかる排尿障害が起こりやすい。

「膣から軟らかいボールのようなものが出てくる感じがする」と訴える人もある。

症状は午後から夕方にかけてひどくなる。

放っておくと、進行することはあっても改善することはない。

一人で悩まず、スパッと思いきって病院へ─。

メッシュ治療

骨盤臓器脱の治療には、手術による根治療法と、リング状の装具(ペッサリー)を膣(ちつ)の中に入れて、臓器を支える保存療法がある。

ぺッサリー療法は、日本では年間7万2千人以上が受けている。

リングは患者の体格や骨盤臓器脱の状態に合わせて選ばれる。

感染や炎症、出血、膣の壁の損傷などが生じることがあるので、定期的な受診が必要だ。

骨盤臓器脱を根治する方法は手術しかない。

以前は患者本人の膀胱(ぼうこう)や子宮の周りの組織を使って補強する手術が行われた。

が、使用する組織そのものが傷んでいるために再発することがあった。

近年、メッシュを使った径膣(開腹しない)手術が普及、よい成績を上げている。

丈夫でやわらかい人工素材で編み上げたメッシュ状のテープで尿道をハンモックのように支えて、尿による腹圧がかかった際の尿道周辺のサポート力を回復させる。

術後の痛みや体への負担が軽く、再発例も少ない。これからの治療の主流になるとみられている。

手術時間は通常1~2時間、入院期間は約1週間。

むろん健康保険が適用される。

受診は泌尿器科か産婦人科へ─。


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足のむくみに潜む病気・よく効く薬

 足のむくみ実態調査

 夕方、仕事を終えるころ靴がきつくなる。

 その程度の足のむくみは、だれもが普通に経験していることだが―。

 その背後に厄介な病気が潜んでいることがある。が、そのことを知らない人がとても多い。

 エスエス製薬株式会社(東京都中央区。石橋利哉社長)は、足のむくみについての意識と実態をさぐる調査を行った。

 予備調査(対象=全国の20代~50代の女性10,000人)

 過去1年以内に足のむくみの経験あり=50.9%、経験なし=49.1%。

 経験ありの内訳

 ①症状に非常に悩まされることがある=11.8%

 ②症状にやや悩まされることがある=20.0%

 ③症状はあるが症状に悩まされることはない=19.1%。

 本調査(対象=①②群中の1,000人)

 足のむくみに悩む時期

 1年中=71.1%

 ◎夏の悩み

 太って見える/足が太く見える=62.5%

 足のラインにメリハリがなくなる=36.0%

 全身がだるくなる=33.5%。

 ◎冬の悩み

 靴やブーツがきつくなる=54.7%

 太って見える/足が太く見える=50.9%

 全身がだるくなる=34.5%。

 足のむくみに気づく時間 

 18時~20時台=59.2%

 21時~23時台=36.3%

 15時~17時台=36.2%。

 足がむくんでいると感じるとき

 帰宅して靴下・ストッキングを脱いだとき=42.8%

 お風呂に入っているとき=35.3%

 仕事が終ったとき=34.8%。

 足のむくみの頻度

 ほぼ毎日=28.0%

 週2~3日程度=25.4%

 週4~5日程度=18.0%。

 足がむくむとどうなる?

 靴下の跡が消えない=71.4%

 だるさを感じる=66.5%

 重量感を感じる=51.4%

 冷えやすくなる=43.2%

 足が腫れる=41.15%

 つらさの順 

 足がだるい=42.7%

 足が重たい=24.5%

 足が冷える=20.2%。

 ●足のむくみの原因

 足のむくみ、なぜ起こると思いますか?

 ①冷え=61.1%

 ②運動不足=57.8%

 ③長時間立っていること=45.5%

 ④長時間座っていること=33.0%

 ⑤水分の摂り過ぎ=25.3%

 ⑥姿勢が悪い=24.8%

 ⑦加齢=24.7%

 ⑧太り過ぎ=20.9%

 下記が足のむくみの原因と知っていますか? 知っている(詳しく知っている+なんとなく知っている程度の合計)

 リンパ=75.9%

 血流=71.9%

 血管=46.3%

 静脈=32.1% 

 この病名を聞いたことがある?

 静脈還流障害 ある=19.2% ない=80.8%

 慢性静脈不全 ある=24.3% ない=75.7%

 下肢静脈瘤 ある=48.7% ない=51.3%

 くもの巣状静脈瘤 ある=33.0% ない=67.0%

 足のむくみを病気かも? と疑ったことがある ある=10.6% ない=89.4%

「静脈還流障害」の説明を聞いて、どう思いましたか?

 足のむくみは軽視してはいけない=87.3%

 不安になった=69.6%

 驚いた=66.6%

 ●足のむくみ対策

 普段の足のむくみ対策は? している=90.5% していない=9.5%

 どんな対策を? 

 自分でマッサージ=63.1%

 足を軽く動かす(伸ばす、回す、曲げるなど)=47.6%

 着圧ソックス・ストッキングを履く=40.3%

 バスタブにつかる=40.8%

 ストレッチをする=37.7%

 足を高くして寝る=36.8%

 満足度は?

 満足している=38.3%

 どちらともいえない=40.4%

 満足していない=21.2%

 満足していない理由

 効果がないから/効果が実感できないから=63.5%

 効果が持続しないから=53.1%

 面倒だから=40.1%

 お金がかかるから=14.1%

 足のむくみ対策をしていない理由

 なにをすればよいのかわからない=48.4%

 それほど深刻だとは思っていない=31.6%

 面倒だから=13.7%

 やっても効果が出るとは思わないから=9.5%

 ●まとめ─

 足がむくみ、だるさ、痛み、重たさを感じ、ふくらはぎやくるぶしを指で押すと、くぼみができたりする場合、慢性静脈不全(静脈還流障害)と呼ばれる静脈の病気が潜んでいるかもしれない。

 決して軽視したり、我慢してよい状態ではない。

 足のむくみに悩む人は、20代~50代の女性の半数にも上るにもかかわらず、足のむくみの対策に満足している人は4割にも満たない。

 そのうえ、足のむくみを病気と疑ったことのある人はきわめて少なく、足のむくみの原因が静脈にあることを知っている人も少ない。 

 足のむくみ 静脈に原因のある場合は初期対応が重要

 本調査に関連して、日本静脈学会名誉会長の星野俊一先生(福島県立医科大学名誉教授、福島第一病院理事長)は以下のように解説されている。

「むくみとは、体の細胞と細胞との間(細胞間質)に水分(血液成分)がたまった状態をいいます。

 ヒトは毛細血管から細胞間質へ毎日約20ℓの水分を供給していますが、そのうち約80~90%は毛細血管に静脈血として、残りの約10~20%はリンパ管にリンパ液として、再び取り込まれます。

 一般的には、"むくみの改善=リンパ液の流れをよくすること"と考えられがちですが、老廃物を含む水分を回収して心臓へ戻す役割の多くは静脈が担っているのです。

 この調査の結果でも静脈がむくみの原因であることを知っている人は3割と、静脈の重要性はまだあまり認識されていないようです。

 静脈の機能は一度失われてしまうとなかなか元には戻りません。

 まずは静脈の重要性を正しく理解していただきたいと思います。

 むくみの原因は、むくみが起こる部位によって二つ考えられます。

 一つは全身的に腎機能障害や心臓病、糖尿病などの疾患により血管内の血漿成分が浸出して細胞間質にたまるものです。

 もう一つは下肢(足)の静脈やリンパ管の不全によるものです。

 前者の場合は全身的にむくみの症状が発現し、後者の場合は局所─足にむくみの症状が発現します。

 足は、心臓から遠く離れたところに位置し、

しかも重力に逆らって血液を心臓まで戻す必要があるため、むくみが出現しやすいのです。

 水分を心臓に戻すルートである静脈に通過障害や血流の逆流があると静脈圧が高まり、血管から血液成分が浸出して細胞間質に水分がたまってしまいます。

 それが静脈還流障害による"血管性むくみ"が生じている状態です。

 足の血管性むくみは、一時的には水分の取りすぎや長時間立位か座位でいることによっても引き起こされますが、症状が何日も続く場合には"慢性静脈不全"が隠れていることがあります。

 ●日本人に多い慢性静脈不全

 統計では、慢性静脈不全の罹患者は人口の約40~50%にみられると推定されています。

 日本人には海外よりも慢性静脈不全が多くみられ、特に成人女性の約60%以上は、軽度の慢性静脈不全の可能性があるともいわれています。

 慢性静脈不全の症状は、足のむくみのほか、だるさ、重さ、つっぱり感、痛みなどです。

 運動が制限された長時間の立ち仕事や座ったままでの生活は、下肢の筋肉によるポンプ作用が働かないため、慢性静脈不全になりやすく、加齢、家族歴、肥満なども危険因子に挙げられます。

 たかが足のむくみ...と放置しておくと、静脈瘤や下肢の褐色調変色、下腿の皮膚潰瘍など重症化を招くことになるので、初期の対応が必要です。

 しかし、日本の初期治療は、専門家の指導下での医療用の弾性ストッキングなどによる圧迫療法しか選択肢がありません。

 ヨーロッパでは、西洋ハーブによる治療が薬物療法として早くから確立され、特に初期においてはむくみ治療の代表的な対処法として知られています。

 赤ブドウの葉のエキスが医薬品として長年使われてきて効果が実証されています。

 症状が長く続いたり、痛みを伴うようなら自己判断せず、速やかに医師または薬剤師に相談してください。

 ●慢性静脈不全のチェックリスト

□足にむくみがある(すねを指で5秒以上押して離した後、くぼみが残る)

□足の重量感、だるさ、つっぱる、痛いなどの自覚症状がある

□長時間、同じ姿勢(立ったまま・座ったまま)で過ごすことが多い

□加齢とともに足のむくみがひどくなってきた

□ほとんど運動しない

□足のむくみや重量感、だるさなど自覚症状が起床後も取れない、または何日も続く

□家族に足のむくみや静脈瘤を経験した人がいる

□肥満傾向(BMI25以上)にある

 ※ BMI(ボディマスインデックス=体格指数)は、体重(kg)を身長(m)の二乗で割った数値。疾患罹患律が最小を示す値(日本では22)を標準とする。

 チェック項目に一つでも当てはまる人は慢性静脈不全(静脈還流障害)が疑われます。

 チェックが多くつく人は、すでに慢性静脈不全の可能性。足の静脈の血流を改善するための対策が必要です。

 足だけでなく全身のむくみの症状が出る場合には他の原因が疑われます。


 足のむくみの薬物療法=赤ブドウ葉エキス

 慢性静脈不全(静脈還流障害)の治療法は─、

 ①足がむくむだけの軽度(初期)の場合は弾性ストッキング(圧迫療法)が、

 ②静脈瘤や皮膚色素沈着などからさらに皮膚障害や静脈性皮膚潰瘍などがみられる重度(後期)の場合、静脈瘤硬化療法、ストリッピング治療、レーザー治療などが行われる。

 ヨーロッパでは初期の静脈還流障害を改善する薬物療法として、西洋ハーブ=赤ブドウの葉の乾燥エキスが早くから用いられ、効果が実証されている。

 2001年、欧州医薬品庁(EMA)の生薬委員会は、西洋ハーブ医薬品を分類/整理し、

 A=Well-estabilishd use(科学的根拠のしっかりしたエビデンスデータが揃っているもの)

 B=Traditional use(伝統的に医薬品として販売されているもの)の2群に大別した。

 赤ブドウの葉の乾燥エキスは、A群に認定された。

 日本では、2007年、西洋ハーブを医薬品として認可するための審査方針が厚生労働省より示された。

 生硬な官庁用語で示されたその方針を、ひらたく要約すると、

「先進諸国で一般用医薬品として広く使用されている生薬製剤で、臨床試験や種々のデータにより有効性と安全性が証明され、品質が保証されている」ということになる。

 この厚労省の審査方針にもとづき、2001年1月、ダイレクトOTC医薬品の承認を取得、2013年6月3日、「飲む、足のむくみ改善薬」として発売されたのが、赤ブドウ葉乾燥エキス剤『アンチスタックス』だ。

 アンチスタックスは、日本で最初に発売された西洋ハーブ医薬品で、足のむくみに対応する唯一の医薬品である。

 用法・用量=1回2カプセルを1日1回服用。

 効能・効果=軽度の静脈還流障害による足(ふくらはぎ、足首など)のむくみ、むくみに伴う足のだるさ・重さ・つっぱり感・痛みなどの改善。

 ●アンチスタックス臨床試験

 足に重さや疲れ(だるさ)などの症状を感じ、医師の触診により足の静脈の血流の滞りでふくらはぎなどにむくみがあると診断された179人に、アンチスタックスを1日1回2カプセル、12週間服用してもらった。

 投与終了時の全般改善度は―、

 著名改善=38.5%

 中等度改善=42.5%

 軽度改善=14.0%

 不変=2.8%

 悪化=2.2%

 著名改善+中等度改善の改善率(全般改善率)は81.0%。軽度改善を加えると95.0%、じつによく効く薬といっていいだろう。


予防できるがん

「がん検診 愛する家族への贈りもの」

 厚生労働省「がん検診50%推進本部」の啓発活動のキャッチ・コピー。

 日本のがん検診受診率は先進国中最低、国民的がんの胃がん、がん死亡1位の肺がんで約30%。他は推して知るべし。

「正しい情報は、インパクトの強いニュースに接するだけでは十分に身につかない。

 断片的ではなく、系統だって学び、知る必要がある。

 その知識が次の行動を生み出すエネルギーとなる」

と、良書『子宮頸がんはみんなで予防できる』(日本評論社=1680円)は説いている。

 子宮頚がんの原因ウイルスHPVの研究、検診、ワクチン、治療、啓発活動に多年根限り取り組んでいる今野良・自治医大教授の監修、練達のライター知覧俊郎と望月聡子の共著。

「100%予防できるがん」の正しい知識を、詳しく分かりやすく教えてくれる。

「子宮頸がんは、がんのなかで唯一、ほんとうの意味で〈予防が可能になった〉がんです」

 今野教授はいっている。

 子宮頚がんの発生には、HPV(ヒトパピローマウイルス)という、ありふれたウイルスの感染が密接にかかわっている。

 HPVの感染がなければ、子宮頚がんのリスクはほとんど無視できる。

 HPVの一時的感染はほとんど2年以内に消失するが、なかに持続感染となり5~10年以上かけて、細胞の異形成からがんへと進行する例がある。

 異形成をきたしやすい「ハイリスクHPV」は16型と18型の2種類で、子宮頸がんの原因の70~80%を占める。

 これを完全に予防できるワクチンの接種が07年から始まり、海外100カ国以上で実施されている。

 ただ、16型と18型以外のHPVの感染は、このワクチンでは予防できない。

 ワクチン接種後も定期的検診は必要だ。

 ワクチン+検診で、子宮頸がんは100%予防できる。


ホルモン補充療法

 更年期のHRT

 閉経による女性ホルモンの分泌量の急激な減少によって起こる更年期障害の最良の治療法は、減少した女性ホルモンをエストロゲン製剤で補うホルモン補充療法(HRT)だ。

 多くの人によく効き、さまざまな自覚症状が改善されるだけでなく、骨粗しょう症、動脈硬化など、女性ホルモンの減少に伴う病気の進行を抑える効果もわかってている。

 効果には個人差があるが、効くか、効かないかは、最初の1カ月でわかるという。

「効きそうだなという感じは、飲み始めて数日でわかります。

 お化粧ののりがよくなる。

 肌の状態がよくなる。

 一番敏感なのはそれかな」と、東館紀子・東京女子医大講師。

 記憶力が上がることは多くの症例の記銘力テストで確認されている。

 HRTについての最もホットな話題は、アルツハイマー病の発症のリスクを軽減し、病気の進行を抑える効果について、内外の研究発表の数が増えていることだ。

 その効果を主目的として服用を続けている、高齢の女性医師もけっこう多いそうだ。

 HRTの利点

 更年期障害の最良の治療法は、ホルモン補充療法(HRT)だ。

 が、日本人女性のHRTの普及率は先進国中最下位。

 ホルモン薬に否定的イメージをもつ人が多いためらしい。

 しかしHRTに多様な利点があるのは確たる事実だ。

 鬼頭昭三・広島大学名誉教授(神経薬理学)は、左のように列挙している。

 1 全般的な死亡率の低下。

 2 ホットフラッシュをはじめとする種々の更年期障害の症状を軽減または消失させる。

 3 閉経期以後のより豊かな性生活を期待できる。

 4 閉経期以後の動脈硬化の進行を防ぐ。

 5 皮膚の老化の進行を抑え、美容効果を発揮する。

 6 心臓血管系の病気や骨粗しょう症になる危険率を減少させる。

 7 記憶・学習の能率や認知機能を高める。

 8 アルツハイマー病の発病を防ぐ。

 9 脳血管障害による脳の損傷に対して修復効果を発揮する。

 10 抑うつ症状を改善する。

 11 パーキンソン病患者に対する治療効果を高める。

 12 女性に特有な45歳以上での統合失調症の発症を抑える。

 13 大腸ガンのリスクを軽減する。

 これを使わない法はないと思う。

 婦人科の医師と相談してみよう。


妊娠肥満vsやせすぎ妊婦

 赤ちゃんが小さくなり続けているのは、やせすぎママがふえているからだ。

 一方、妊娠中に体重がふえ過ぎる「妊娠肥満」にも問題がある。

 妊娠糖尿病や妊娠中毒症のリスクが高くなったり、お産が重くなったりしやすい。

 妊娠による体重増加は、体格による個人差はあるが、一般的には7~10キロ程度が望ましい。

 昔はよく「おなかの赤ちゃんの分まで食べなければ...」と言われた。

 日本人一般の食生活に問題の多かった時代、そう言って弱い立場の嫁(母体)の栄養補給を助けたのだろう。

 産科医によると、妊娠中に必要とされる摂取エネルギーの基準は1800キロカロリー。20代女性よりも少ない。

 妊婦は安静にしていて激しく動くことがないからだ。

 これに妊娠前期(15週まで)は1日150キロカロリー、中期(16週~27週)は1日250キロカロリー、後期(28週以降)には450キロカロリーをプラスしたものが、妊婦の標準摂取エネルギーになる。

 だがそれを超える過食、偏食などによる体重増加が15キロを超える人がある。

 半面、妊娠中のダイエット(極端な食事制限)のために体重増加が5キロ未満という人が、近年非常にふえている。

 昨日、記したようにこれも大問題だ。

 妊娠中に大切なのは、食物の質と食べ方をよく考えて変えていくこと。

 摂取エネルギーはそれほどふやす必要はない。

 へらすのは、もちろん、論外だ。

 妊娠中の栄養・食生活

 妊娠中の肥満を避け、丈夫な赤ちゃんを産むためには、摂取エネルギーはむしろ減らしながら、母体と胎児の成長にとって必要な栄養素(たんぱく質、カルシウム、鉄)を増やすことだと産科医は助言している。

 その基準付加量は─、

 妊娠前期は、たんぱく質=10グラム、カルシウム=0.4グラム、鉄=3ミリグラム。

 後期は、たんぱく質=20グラム、カルシウム=0.4グラム、鉄=8ミリグラムとされている。

 これだけの量を増やすのは、実はけっこう難しい。

 たとえば妊娠前期のエネルギー付加量150キロカロリーは、牛乳1杯(140cc)と卵1個(50グラム)に相当するが、この場合、たんぱく質は10グラムで合格だが、カルシウムは0.7グラム、鉄は1ミリグラムしかとれない。

 特に妊娠前・妊娠中に注意しなければならないのは鉄の不足だ。

 妊娠中は造血機能のバランスの乱れで貧血を起こしやすくなる。

 新しい生命を健やかにはぐくむために鉄を十分蓄え、補給しなければならないが、鉄分にはカルシウムにとっての牛乳のような即効性のある効果的な食べ物がない。

 鉄分補給の食生活に気を配る必要がある。

 妊娠中の鉄分補給のために大切な心がけは、分かりきった話だが鉄分を多く含む食品を意識的にとること。

 鉄分の多い食品は、なんといってもレバー。それから、ひじき、煮干し、のり、しじみ、あさり、ゴマ、豆類、きな粉、切り干し大根、ほうれんそう...など。

 料理に鉄なべを使うことも食物中の鉄含有量を増やす。

 ところで、妊娠中の食生活でもう一つ注意したいことは、アレルギーについて。

 母親自身、または父親や家族のなかで食物アレルギーの人がいて、アレルゲン(アレルギーの原因物質)がわかっている場合、その食品を避けるか、3~5日に1回の割合にしたほうがいいと専門医は言っている。

 家族にアレルギーの人がいなくても、たとえば牛乳を水がわりに1日1リットル飲んでいたお母さんから牛乳アレルギーの赤ちゃんが生まれたり、大豆がいいからと毎日どっさり食べていたお母さんの子が大豆アレルギーになった例があるそうだ。

 卵、牛乳、大豆の三大アレルゲンは、必要以上とり過ぎないようにしよう。

 体によいといわれる食品でもそればかり毎日食べるといったことは避けよう。


少子化&小子化

 赤ちゃんがだんだん小さくなっているらしい。

 厚生労働省の乳幼児身体発育調査によると、赤ちゃんが最も大きかったのは。1980年。

 男児の出生時体重は平均3230グラム。女児のそれは平均3160グラムだった。

 以来、年ごとに小さくなり続けて2010年には男児が平均2980グラム、女児が平均2910グラム。

 どちらも250グラム減った。

 背景に、若い女性のスリム化と、少子化で初産の割合がふえたことがある、という。

 低体重の女性が妊娠すると、低体重児を出産する傾向があり、その子が成長すると生活習慣病になりやすい。

 ヨーロッパで栄養状態が悪かった1930~40年の新生児を追跡調査したデータから導かれた仮説だ。

「妊婦さん しっかり食べて」という朝日新聞5月23日の記事によれば、最近の日本の調査研究でそのことが実証されている。

 名古屋大の玉腰浩司教授(公衆衛生学)らの調査(35~66歳の男女約3100人)によると、

 出生時の体重が2500~3000グラムのグループは高血圧(最高140以上、最低90以上)の比率が26.1%だった。

 一方、3000~3500グラムは22.8%、3500グラム以上は19.4%と、出生時の体重が少ないほど、高血圧の割合が高い傾向がみられた。

 新潟大医歯学総合病院の内山聖院長(小児科)や菊池透小児科講師らは、

 6歳~15歳の肥満の男女約960人を出生時体重の軽い順に4グループに分けて、血中のインスリン濃度など糖尿病になりやすいかどうかを調べた。

 結果、出生時体重が軽いほど、インスリンの働きが弱いなど糖尿病になるリスクが高かった。

「胎内が栄養不足になると、胎児の体内で低栄養に対応しようと変化が起こるようです。

 それが成人になって、栄養が足りた状態になると、悪さをしているのではないかと考えられています」

 ──と内山院長は説明している。

 人類は、長い飢餓の歴史のなかで、体のエネルギーの消費を抑え、エネルギーを倹約してため込む「倹約遺伝子」を獲得した。

 胎児期に母体から受ける栄養が少ないと、倹約遺伝子が強く発現する体の状態になってしまい、生まれたあともエネルギーをため込んで、うまく使えない。

 その体質が、インスリン抵抗性(糖質を処理するホルモン=インスリンの働きを妨げる作用)をつくり、生活習慣病につながるのではないか。

 かつて新生児体重が増加傾向にあった時代には、妊婦が太り過ぎると妊娠中毒症や妊娠糖尿病のリスクが高まる心配や、小さい赤ちゃんだと分娩(ぶんべん)が楽といったことから、

「小さく産んで大きく育てよ」と言われた。

 しかし、いまは低体重の女児が、低体重の女性に成長し、低体重の子を出産すると、生活習慣病の予備群がふえる。

 長い目で見ると、そういうことが言えるわけだ。

 やせ過ぎの子どもがふえているのは、肥満と同じように重大問題だと、専門家は指摘している。


女性の悲しみ

 大森安恵・海老名総合病院糖尿病センター長(東京女子医大名誉教授)は、1956年に東京女子医科大学を卒業した。

 そのころは「糖尿病があったら妊娠してはいけない。生んではいけない」といわれていた。

 数年後、若い大森医師は、死産のあと糖尿病とわかって産科から回されてきた患者を担当した。

 悲嘆に沈む同性の姿に接し、

「こんな悲しい思いを女性にさせていることに男性医師は気づかず、長いあいだ放置してきたのだ」と思い至った。

「女性の悲しみは、女性が解決しなければならない。

 私の医学的ライフワークは『糖尿病と妊娠』にしようと決意しました」

 大森先生はそう話した。

 診断薬・診断機器メーカー、ロシュ・ダイアグノスティックス主催のシンポジウム「妊産婦を守る」で──。

 言うまでもないことだが、

「糖尿病の女性は生んではいけない」など大間違いだ。

 血糖コントロールをし、「計画妊娠」をすれば、大丈夫。

「糖尿病の合併症から母児を守るためには、妊娠の可能性がある女性は、ぜひ検診を受けてください。

 特に家族に糖尿病がある人は必須です」

 先ごろ、医療情報誌『JMS JAPAN MEDICAL SOCIETY』で大森先生の話を読んだ。

 畏敬する先輩、伊藤正治さんが同誌に長期連載中のインタビュー形式の医人列伝「Medical Who's Who」の118人目の登場者が、大森先生だった。

 一部をご紹介する。

<私が医師になりたてのころ、年配の患者さんから、「お前が診るんか?」と女医であることにあからさまな不信の言葉をぶつけられ、悔し泣きしたことがあります。給料も女医は男性の6割という有り様でした。>

<男性が失敗しても、「だから男はダメだ」とは決して言われないのに、女性の場合は「だから女はダメだ」と言われます。そう言われないために人の3倍働こうと思い、大学の医局に入ってから定年退職するまで、朝早く出勤し、一番遅くまで仕事をしてきました。>(『JMS』2012年4月号)

 大森先生の座右の銘は、

「まて己 咲かで散りなば 何が梅」

 若き日の野口英世が、刻苦勉励の修行時代に詠んだ句だそうだ。


妊娠と糖尿病

妊娠糖尿病

 最近「駆け込み出産」が増えていると聞いて、「大森先生が胸を痛めておられるだろうな」と思った。

 大森安恵・海老名総合病院糖尿病センター長(東京女子医大名誉教授)は、「妊娠糖尿病」の国際的な定義を変えた医学者だ。

 従来、妊婦の糖尿病は、妊娠前からの糖尿病も、妊娠をきっかけに発症した糖尿病もどちらも「妊娠糖尿病」とされていた。

 大森先生は、東京女子医大の教授時代から、これを分けるべきだと強く主張し続けてきた。

 内外の医学界もようやくそれを認め、2008年6月の国際糖尿病・妊娠学会で定義が変わり、

 妊娠をきっかけに血糖値が高くなったものだけを「妊娠糖尿病」と呼び、

 妊娠前からの糖尿病と、妊娠中に糖尿病とわかったものは「糖尿病合併妊娠」とされることになった。

 糖尿病合併妊娠で血糖コントロールが不良だと、胎児に奇形が生じ、母親は網膜症や腎症を発症する確率が高くなる。

 だが妊娠糖尿病では巨大児分娩は多いが、そうした心配はあまりない。

 とはいえ、駆け込み出産では、それらを見つけることさえできない。


計画妊娠

 糖尿病はかなり進行するまで痛くもかゆくもない。

 無症状だ。そのため糖尿病に気づかないまま妊娠し、妊婦健診で糖尿病とわかったときは、すでに失明寸前の網膜症だったり、重い腎症だったりする人さえある。

 網膜症は、妊娠によるさまざまなホルモンの影響を受けて、さらに悪化する。

 腎症のある人では、胎児の発育が遅れ、母体は子癇(しかん)前症という重い合併症を発症する。

 網膜症や腎症はないか確かめ、あればその対策を立てた上で妊娠することが大切だ。

 血糖値が高いまま妊娠すると、奇形の頻度も高くなる。

 血糖をきちんとコントロールしてからの「計画妊娠」が望ましい。

 だが現実は、妊娠してからようやく血糖コントロールを始める人がとても多い。

 大森安恵・海老名総合病院糖尿病センター長は、東京女子医大の教授だった1975年ごろから「計画妊娠」の必要性を強く訴えてきた。

 子どものころからの主治医がいる1型糖尿病の人の80%は計画妊娠しているが、2型糖尿病で計画妊娠する人はほとんどいないという。


PMS対処法

 基礎体温の高温期は、黄体ホルモンの分泌が増え、月経前症候群(PMS)と呼ばれる心身の不調が生じる。

 イライラする、泣きたくなる、怒りっぽくなる、愚痴っぽくなる、落ち着かない、集中できない、不安になる、家事が面倒になる、運転が荒くなる、乳房がはる・痛い、頭痛、肩こり、腰痛、腹痛、腹がはる、下痢・便秘、むくみ、肌荒れ、眠くなる、体がだるい、疲れやすい、体重が増える、甘い物が食べたい......さまざまだ。

 周期的にめぐってくるこのつらい時期を乗り切るにはどうしたらいいか。

 ●症状がPMSによることを理解し、その時期を予測する。

 ●考え過ぎないようにする。

 ●適度な気分転換。

 ●適度な運動。

 ●無理をしない。

 ●糖分・水分を取り過ぎない。

 ●カフェインを取り過ぎない。

 ●ビタミン、食物繊維を取る。

 ●窮屈な服は着ない。

 ●婦人科を受診、適切なピルや漢方薬(加味逍遥散など)を処方してもらう。

 ●ハーブの利用(アロマテラピー)など。

 以上、昨日と今日の月経関連の記事は、「オムロンヘルスケアニュース」を参考にした。


基礎体温

 妊娠・出産の機会が減った現代女性の生涯月経回数は500回にも達する。

 月経困難症をはじめ子宮筋腫、子宮内膜症など女性特有の健康障害を抱えている人も多い。

 こうした女性の体のトラブルに対処するうえで基礎体温の計測はとても役立つ。

 体のリズムがわかり、病気の予兆を知ることができる。

 基礎体温は健康管理のバロメーター、毎日記録しようと、専門医は勧めている。

 基礎体温とは、安静時の平熱。一般的には起床時の体温だ。

 女性の体では卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)の影響を受けながら、一定の周期で月経が繰り返される。

 基礎体温は、その変化に合わせて「低温期」と「高温期」の二相を示す。

 低温期は、月経開始から排卵日まで。

 卵巣では卵胞が成熟し、エストロゲンが大量に分泌される。

 子宮内膜が増殖し、脳下垂体からプロゲステロンが分泌され、排卵が起こる。

 この排卵日から次の月経までの約2週間が高温期。

 この時期に妊娠が成立しなければ、また低温期へと移行する。

 女性の基礎体温には、低温期と高温期がある。

 月経開始から排卵日までが低温期、排卵日から次の月経までが高温期だが、その温度差は0.3~0.5度とごくわずか。

 朝、目覚めてすぐに婦人体温計を舌の下に入れて測る。

 一般に排卵日の3日前から2日後までが妊娠可能とされる。

 月経後の低温期は、この時期に分泌量が増える卵胞ホルモン(エストロゲン)の作用で、体調がよく、肌がきれいになり、気持ちが前向きに、活発になる。

 旅行や大事な仕事を片づけるのに最適の時期だ。

 一方、高温期には黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌が増える。

 黄体ホルモンには体温を上昇させ、皮脂の分泌を促し、体に水分をためる作用がある。

 肌荒れやむくみが起こりやすい。イライラするなど心の状態も不安定になりがちだ。

 この月経開始の3日~10日前から始まる精神的・身体的症状を「月経前症候群(PMS)といい、月経が始まるとおさまる。

 基礎体温を記録することで、PMSの時期を予測し、体調のパターンをつかむことができる。



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