暮らしのなかの健康法万般。赤ちゃんからお年寄りまでの病気の解説・予防・治療法。食生活、食品、サプリメント情報…など、面白くてタメになる実用エッセイ。

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循環器疾患

AEDを知ろう

 だれでも使える!

 いろんなところでAED(自動体外式除細動器)を目にする。

 しかし実際に使ったことがある人はごく少ないだろう。

 AEDはその名のとおり「体外(裸の胸の上)」に貼った、電極のついたパッドから「自動的」に心臓の状態を判断し、

 もし心臓まひ(心室細動という不整脈の状態)を起こしていたら、強い電流を一瞬、流して心臓に電気ショックを与え、心室の「細動」を「除」き、

 心臓の状態を正常に戻す器械だ。

 AEDは、初めての人でも簡単に使えるように設計されている。

 ボタンを押す(あるいはフタを開ける)と、電源が入り、あとは音声が順々に指示してくれる。

 倒れている人の胸をはだけ、シールのような電極パッドを、そのパッケージに描かれた位置にしっかり貼り、器械の自動診断を待つ。

 電気ショックが必要と器械が判断したら、「ボタンを押してください」と音声の指示が出るので、ボタンを押す。

 電気ショックが必要ない場合は、ボタンを押しても電気は流れない。

 操作を間違えても大丈夫。

 ためらうことなく、すぐさま使おう。

 あなたが救う!

 人が突然、倒れて意識を失ったら、心臓が心室細動という不整脈を起こしている可能性がある。

 心臓を動かしている電気系統(心臓の右上部から出る微かな電気が伝わるしくみ)が何らかの原因で混乱すると、リズミカルな収縮が行えなくなる。

 その不整脈の中でも特に心臓の血液を全身に送り出す心室がブルブル震え、血液を送り出せなくなった状態(心停止状態)が心室細動だ。

 心室細動が起こると、脳や腎臓、肝臓など重要な臓器に血液が行かなくなり、やがて心臓が完全に停止する。

 心臓が原因の突然死の多くは心室細動によるものだ。

 心室細動が起こると、1分ごとに約10%、助かる確率が減っていくといわれる。

 救急車が現場に到着するまでの時間はおよそ6分。

 救急車を待っていたのでは助かる確率がかなり低くなる。

 しかし近くにAEDがあって、そこにいる人がすぐに操作すれば、救命率はぐんと高くなる。

 「あなたにも救える命があります」(AED普及広告)。

 AEDには音声ガイド機能がついている。

 使い方は器械が教えてくれる。

 初めての人でもすぐ使うことができるが、人が倒れたときなどは、なかなか冷静に動けない。

 AEDの使い方だけでなく、119番への通報や心臓マッサージ(胸骨圧迫)なども含め、消防署や講習会などで救命救急の方法を経験しておこう。

 幼児も妊婦も!

 AEDは、1歳以上8歳未満(体重25㌔㌘以下)の場合、小児用電極パッド(パッドのサイズが小さく、流れる電流が成人用の3分の1程度)を使うことが望ましい。

 それがなかったら、成人用のAEDを使用してもよい。

 もし倒れている人が妊婦の場合、AEDを使っても大丈夫か?

 電気ショックが胎児に悪い影響を及ぼすのではないか?

 AEDの講習会でそう質問されることが多いという。

 もっともな心配だ。

 しかし、心室細動を起こしている人を救命する方法は、AEDによる電気ショック以外にはない。

 また、心肺停止状態が続けば胎児への酸素供給も滞っていると考えられる。

 母親を早急に蘇生(そせい)させることが、母子双方の命を救うことにつながる、と専門家は答えている。


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血管内治療

 腎動脈狭窄(きょうさく)症は初期には自覚症状がない。

 放置すると、慢性腎臓病(CKD)や腎不全へ進行する。

 人工透析の原因疾患は、糸球体腎炎31%、糖尿病23%、腎動脈狭窄症12%、腎臓がん12%......の順だ。

 心不全による入院患者の約35%に腎動脈狭窄が認められたとの報告もある。「腎動脈狭窄症の意外な落とし穴は、狭心症、心不全です」と中村正人・東邦大学医療センター教授(循環器内科)。

 腎動脈狭窄症の最も効果的な治療法は「血管内治療」だ。

 足の付け根や腕の血管から腎臓までカテーテル(細い管)を通し、カテーテルの先端に取り付けた風船をふくらませて、狭くなった血管を押し広げ、ステント(金属の筒)を血管内に置いてくる治療法だ。

 腎機能の改善はもとより、治療前に心拡大や肺うっ血などが認められた症例では、それらも改善される。

 だが、正しい診断が得られず治療の適期を逸している症例が少なくない。

「腎動脈狭窄症は、まず疑うことが大切です」と中村教授は話した。


高血圧と腎臓

 厚生労働省の「国民健康・栄養調査」によると、高血圧の推定患者数は3970万人。日本人の3人に1人が高血圧だ。

 高血圧は痛くもないし、かゆくもない。

 飯がまずくなることもない。だがほっておくと、怖い。

 脳や心臓や腎臓などの血管がじわじわ傷み、脳卒中、心筋梗塞を引き起こし、腎臓の働きが落ちてくる。

 高血圧は、遺伝的素因に塩分の取り過ぎや運動不足が加わって起こるものが多く、生活習慣病の一種とされているが、近年、「腎動脈狭窄(きょうさく)症」という腎臓の血管が狭くなる病気が高血圧の原因になることがわかった。

 その頻度は高血圧症例の5%弱だが、リスクの高い高血圧症例では10~40%(推定250万人)を占める。

 腎動脈狭窄症は、動脈硬化によって起こるが、以前は確実な検査方法がなく、症状が現れないタイプも多いため、発見が難しい病気だった。

「診断の第一歩は、降圧治療がなかなか奏功しないとか、腎機能の低下というような場合、腎動脈狭窄症を疑うことです」と、プレスセミナーで専門医は話した。

 腎動脈狭窄症

 ①55歳を過ぎてから高血圧症になった。

 ②高血圧の薬を3剤以上服用しているのに改善しない。

 ③高血圧の薬を飲み始めたら腎臓が少し悪くなった。

 ④血液検査で腎臓の働きが悪くなっている(クレアチニン値が上昇)と言われた。

 ⑤心臓、首、足いずれかの動脈が狭いと言われたことがある。

 ⑥腎臓のサイズが左右で異なる(片方の腎臓が小さくなった)と言われた。

 ⑦腹部の血管に雑音があると言われた。

 ⑧原因がはっきりしない心不全(急性左心不全)で入院したことがある。

 以上のうち一つでも当てはまる人は、腎臓の血管が狭くなった「腎動脈狭窄(きょうさく)症」が疑われる。なるべく早く専門医(循環器内科など)を受診しよう。

 腎動脈狭窄症の検査は、腎動脈が狭くなってないか、左右の腎臓の大きさに差がないかを、超音波検査、CT(コンピューター断層撮影法)、MRI(磁気共鳴映像法)などで調べる。

 確定診断として血管造影検査(腎臓の血管の中にカテーテルを通して、血管の状態を直接調べる検査)が行われることもある。


マグネシウム

 日本人に足りないミネラル(微量栄養素)といえば、カルシウム。

 これはどなたもとっくにご存じだが、しっかりした骨を作るために、もう一つ忘れてはならないものがある。

 マグネシウムだ。

 マグネシウムは、骨の三大主要成分─カルシウム、たんぱく質、リンに次ぐ重要成分だ。

 同時に、骨が作られる過程で、ビタミンDを体が利用できる活性型に変える働きもする。マグネシウムの不足も骨粗しょう症の一因になる。

 骨だけではない。

 マグネシウムが欠乏すると、血管が過度に拡張し、心悸(しんき)高進を起こし、神経が興奮しやすくなる。

 大腸がんを招くとの研究もある。

 マグネシウムは、玄米、野菜(とくにホウレンソウ)、魚介類、肉類、バナナなどに多く含まれるが、ここでも食事の欧米化の影響を受けて、マグネシウムの摂取が減り気味になっていると、専門家は指摘している。

 骨の成分のうち、リンは不足することは少ないので、カルシウムの多い乳製品や卵、魚介類とともにマグネシウム含有食品をバランスよく食べよう。


サイレント・キラー

 きょう5月17日は「世界高血圧デー」。

 国際高血圧学会が2005年に創設した。

 日本でも日本高血圧学会と日本高血圧協会が、同じ日を「高血圧の日」と定めて、啓発運動を行っている。

 高血圧は、日本人の三大死因(がん、心臓病、脳卒中)のうちの二つ─心臓病と脳卒中─を引き起こす最も主要な原因だ。

 高血圧は痛くもかゆくもない。

 サイレント・キラー(静かなる殺し屋)と呼ばれる。

 自覚症状がないので、気づいてない人、甘くかんがえている人が、非常に多い。

 全国の高血圧患者は約4000万人と推定されているが、きちんと治療を受けているのはわずか2割、約800万人に過ぎない。

 高血圧を知る方法は、腕をまくってやる血圧測定しかない。

 日本高血圧学会と日本高血圧協会は、

「ウデをまくろう、ニッポン!」

 ──と、キャンペーンを展開している。

 血圧には、「上」と「下」がある。

 上は、心臓が収縮して血液を動脈へ送り出したときの血圧で、収縮期血圧、最大または最高血圧ともいう。

 下は、心臓が拡張して血液が静脈から心臓に入ってくるときの血圧で、拡張期血圧、最小または最低血圧ともいう。

 高血圧治療ガイドラインによる、高い血圧を下げる目標とする血圧値は、

 65歳以上の人=140─90mmHg未満。

 65歳以下の人=120─85mmHg未満。

 腎障害・糖尿病を合併している人=130─80mmHg未満。

 最も望ましい至適血圧値は、120─80mmHg未満とされている。


尿検査を!


 危険な楽天家

 家の近くの診療所の待合室に、新しいポスターが貼られていた。

「尿検査はあなたの健康のバロメーター。尿の検査により、あなたの腎臓の状態を知ることができます」

 腎臓病が進行すると、血液を人工的に浄化する透析が必要になる。

 それだけではない。

 心筋梗塞や脳卒中にもなりやすい。

 透析になるより前に脳卒中などで亡くなる人のほうが多く、半面、高血圧や糖尿病が腎臓病を進行させることもある。

 ポスターのコピーはこう続く──。

「高血圧や糖尿病があなたの腎臓をいじめているかもしれません。

 タンパク尿は腎臓のダメージのサインです。

 さらに腎臓の働きが悪くなると、慢性腎臓病(CKD)となり、透析が必要となったり、脳卒中や心筋梗塞などの重大な合併症を引き起こす恐れがあります。

 予防のためには、早期にサインをキャッチすることが大切です。

 あなたの腎臓の状態は、『尿検査』で知ることができます。

 尿検査はとても簡単で有効な手段です。

 当院にて、ご相談ください」

 尿たんぱく検査の「陽性(異常)」の中には、心配のいらない「生理的たんぱく尿」と、腎臓病などのシグナルの「病的たんぱく尿」が混じっている。

 だから陽性と判定されたら必ず再検査を受けて、"シロクロ"をはっきりさせなければいけない。

 ところが、それっきり放りっぱなしの楽天家がとても多い。

 日本慢性腎臓病対策協議会が、20歳以上の男女1000人に行ったインターネット調査によると、

 過去に健診や人間ドックなどで尿たんぱくに異常があった人は28.8八%。

 そのうち再検査を受けた人は51.4%。

 受けなかった人は40.6六%。

 その時々で受けたり受けなかった(受けたときもある)人が8.0%。

 受けなかった理由で最も多かったのは「大した異常だとは思わない」が48.6%だった。

 慢性腎臓病は、初期にはほとんど自覚症状がない。

 尿たんぱく検査は、慢性腎臓病の早期発見と適切な治療のために欠かせない。

 異常だったのに再検査を受けないのは、完治につながる早期発見のチャンスをみすみす逃していることになる。

 楽観は実に危ない。

 透析への第一歩かもしれないノダ。
 

 アルブミン尿

 高血圧症の推定患者数は約4000万人。

 あらゆる生活習慣病のなかで断トツに多い。

 その約4割に腎臓病が潜んでいることが、国内初の大規模調査で分かった。

 大日本住友製薬は、全国の病・医院の医師の協力を得て、通院治療中の高血圧患者約9000人の尿検査を行った。

 結果、腎機能の低下を示す「アルブミン尿」陽性が43%の人に認められた。

(注・アルブミンは単純たんぱく質の一種。通常の尿検査で測定するのは「たんぱく尿」のみ)。

 調査を監修した渡辺毅・福島県立医科大主任教授のコメント。

「尿中アルブミンの測定は慢性腎臓病の予知因子─いわば隠れ腎臓病を的確に見つける方法として有用です。

 アルブミン尿陽性とされた人たちに共通する主な危険因子は、年齢、高血圧、喫煙、糖尿病でした。

 年齢はどうにもなりませんから、たばこを止める。

 血圧を下げる。

 血糖値をコントロールし、脂質異常症(善玉コレステロールが低く、悪玉と中性脂肪が高い)を改善する。

 日常生活の注意としては風邪、下痢、胃腸炎などを起こさないことです」


 


続・腎臓を大切に!

 賢い働き者

 腎臓は小さいながらも大変な働き者で、しかも非常に賢い臓器なので「腎臓は賢臓(けんぞう)だ」といわれる。

 大きさはにぎりこぶしぐらい。重さはおよそ120グラム─左右合わせて250グラム。

 胃の後ろの辺、背骨の両側にある。

 左右二つあるが、二つなければ生きていけないということはない。

 それどころか、片方の腎臓の3分の1に働きが落ちても生きていける。

 それほど予備能力の大きい臓器だが、それが裏目に出て、透析寸前になるまで異常に気づきにくいのが、腎臓の危険な特徴だ。

 腎臓は三つ、大きな働きをしている。

 一つは尿を作る働き。

 血液を濾過(ろか)して、体に不要の老廃物を尿として排せつする。

 濾過されてきれいになった血液は、体に戻って再循環する。

 二つめは環境調整。

 体内の水分の調節、血圧の調節、塩分の調節、体液の濃度と量の調節、血液の酸性・アルカリ性のバランスの調節。

 三つめは、ホルモンをつくって分泌する内分泌的機能。

 血圧の維持に重要なレニン、赤血球の産生を刺激するエリスロポエチン、骨をつくるビタミンDを活性化する。
 

 腎臓と血圧

 腎臓の機能は加齢に伴って低下する。

 70歳以上の男性の約30%、女性の約50%が、腎機能60%未満の慢性腎臓病の基準に合致するといわれる。

 慢性腎臓病の人の多くが高血圧を合併している。

 高血圧は腎臓病を進行させ、腎臓病は高血圧を悪化させる。

 高血圧の人は、血圧測定に加え、ときどき尿検査をして、腎臓への気配りが大切だ。「毎日血圧、ときどき尿検査」を──。

 腎臓病は初期には無症状だ。

 進行を防ぐ決め手は早期発見・早期治療。これしかない。


 腎臓と貧血

 腎臓は尿をつくり、老廃物を排せつし、体の中のミネラルや酸性度を一定に保ち、ビタミンDを活性化し、血圧を調節するホルモン(レニン)や造血に関与するホルモン(エリスロポエチン)を分泌するなど多種多様な働きをしている。

 だから腎臓の機能が慢性的に低下する慢性腎臓病(CKD)になると、体にさまざまな異常が生じる。

 最近、とりわけ貧血の重要性が注目されている。

 貧血は血液中のヘモグロビン(赤血球に含まれる酸素を運ぶたんぱく質)が足りない状態だが、赤血球の産生を刺激するエリスロポエチンの90%は腎臓でつくられるので、CKDになると、貧血(腎性貧血)が起こる。

 腎機能が60%以下になると、貧血の程度が強くなり、腎臓病を進行させ、心血管病を悪化させることが明らかにされている。

 腎性貧血はエリスロポエチン製剤で治療できる。

「この製剤を注射するとヘモグロビンが上昇し、腎機能の低下が抑えられるだけでなく、心血管病の防止にもつながる可能性がある」と、専門家は解説している。


腎臓を大切に!

 隠れ腎臓病

 3月の第2木曜日は世界腎臓デー。

 世界の腎臓病関連の学会が、腎機能の低下が慢性的に続いて、やがて透析が必要となる腎臓病をひとまとめに「慢性腎臓病(CKD=クロニック・キドニー・ディジーズ)」と呼ぶことに決めたのは、2002年。

 2006年からは3月の第2木曜日を「世界腎臓デー」として、CKDの早期発見・早期治療の啓発運動を展開している。

 日本腎臓学会は、国内のCKD患者は1330万人、ただちに治療が必要な人だけでも600万人と推定している。

 CKDは、「隠れ腎臓病」と呼ばれるように自覚症状が表れにくく、病院に来たときはもう「透析直前」ということさえある。

 怖いのはそれだけではない。

 CKDがあると、心筋梗塞や脳卒中の発症リスクが高まり、貧血も起こる。

 CKDの発見からそうした病気の初期異常が見つかることも少なくない。

 CKD早期発見の第一条件は、毎年必ず健診を受けること。

 潜血と尿たんぱくを調べる尿検査は簡便でかなり正確だ。

 だが、それでは異常が見つからないケースもある。

 糖尿病や高血圧の人、これらの病気にかかっている家族をもつ50歳以上の人、貧血の疑いのある人は、より詳しい「KEEP」という検診を受けたほうがよい。


 KEEP

 腎臓は、体の老廃物を尿として排せつし、体の水分(体液)量とミネラルを一定に保ち、血圧を調節するホルモンや造血に関与するホルモンを分泌するなど、生命維持に不可欠な役割を担っている。

 だから神さまはちゃんと二つ用意し、一つがダメになっても、もう一つのほうで(それも機能が3分の1に低下しても)生きていけるようにしてくださっている。

 ところが、その大きな予備能力が裏目に出て、機能がかなり低下しても自覚症状が表れず、診断されたときは透析か腎移植しか選択肢がないことも多い。

 この慢性腎臓病を早く見つける簡便な方法が検尿だが、完全ではない。腎機能が下がっていても、たんぱく尿が出ないケースがあるからだ。

 完全を期すには腎臓病早期発見プログラム(KEEP)という検診を受けること。

 通常の尿検査では検出できない微量のアルブミン(単純たんぱく)をチェックし、血液検査の値と身長・体重などから腎機能を総合的に評価できる。

 検診は無料。心配な人はKEEP参加医療施設へ─。


 CKDの段階

 慢性腎臓病(CKD)は、病気がかなり進行するまで症状が表れないので「隠れ腎臓病」と呼ばれる。

 おおまかな目安としては、腎機能が、

 60~90%=ほとんど無症状。たんぱく尿、潜血が認められる。

 30~60%=むくみが見られ、血清クレアチニン値が上がる。

 15~30%=疲れやすく、貧血、血中のカルシウム低下が認められる。

 15%未満=吐き気・食欲低下、息切れなどが起こる。末期腎不全の状態。

 10%以下=透析が開始される。

 CKDは早期発見、早期治療によって進行を防ぐことができる。

 原因となっている病気(糖尿病性腎炎、慢性腎炎、高血圧など)の治療とともに大切なのは、生活習慣の改善だ。

 食事では塩分とカロリーの摂取量を抑える。

 塩分は1日6グラム未満にし、カロリーは体重や活動量によって設定される適正量を守る。

 たばこも腎機能に影響を及ぼし、たんぱく尿をふやす。

 適度の運動を続ける習慣も大切だ。

 以前は腎臓病の人は運動が禁止されたが、現在は運動によって腎機能の低下が進むことはないと分かっている。


急性冠症候群

 
 先ごろの田子ノ浦親方(元前頭久島海)の若過ぎる急死はなんとも痛ましく、おどろいた。

 死因は「虚血性心不全」と、相撲協会は発表した。

 突然、心臓の血管が詰まって、虚血(血液の欠乏)をきたし、心臓の働きが低下する病気だ。

 発症後2時間以内の突然死がとても多く、虚血性心臓突然死といわれる。

 待ったなしの怖い病気だ。

 これを防ぐには早く病変を見つけて、適切な治療を受けること。それしかない。

 それには心臓の血管が狭くなっているだけの状態なのか、狭くなったうえに詰まりかけている状態なのかを、早い段階で区別し、手を打たなければならない。

 そこで生まれたのが、「急性冠症候群」という新しい心臓病の考え方だ。

 心臓を冠状に取り巻いている3本の血管(冠動脈)の内壁に「プラーク」と呼ばれる病変が生じ、血管が狭くなっている病気が、虚血性心疾患だ。

 プラークには、破れやすいものと、そうではないものがある。

 破裂しにくい「安定プラーク」によって冠動脈が狭くなり血液が流れにくくなるのが、一般に多くみられる安定狭心症だ。

 一方、破れやすい「不安定プラーク」の破綻によって引き起こされるのが、急性冠症候群。

 冠動脈が完全に閉塞すると、急性心筋梗塞や虚血性突然死を招き、ほぼ閉塞しかけている状態だと不安定狭心症になる。

 突然死とそうではないケースは、詰まった血管の場所によって違ってくる。

 冠動脈は、心臓の左側の前面を下る左前下行枝、後ろのほうへ回る左回旋枝、右冠動脈とあるが、このうち左の2本の血管の幹に当たる左主幹部と、左前下行枝が最も重要だ。

 血液を大動脈に送り出す左心の広い範囲を養っている血管だからだ。

 左主幹部や左前下行枝の上部が詰まると、ほとんど突発的に死を招く。

 ほかの部位の梗塞も、血管が詰まってから時間がたつほど心筋の壊死(体の組織の部分的な死)の範囲が広がり、致命的な結末を迎えることもある。

 狭心症は、胸が締めつけられるように痛くなり、動悸、息切れがするが、5分~10分ぐらい安静にしていると治まる。

 心筋梗塞は、胸中の重苦しい強い痛みや、焼けつくような激しい痛みが30分以上続く。
 一刻も早く心臓病の専門医のいる病院へ搬送しなければいけない。

 病院では、多くの場合、体への負担の少ない心臓カテーテルによる血管内治療(冠動脈インターベンション=PCI)が行われる。

 PCIの方法にもいくつかあるが、いま最も普及しているのは、金網状のステント(筒)で血管を押し広げて補強する冠動脈内ステント留置術だ。


続・心臓を大切に!

 心臓と運動

「ドリンカーズ・リバー(酒飲みの肝臓)」、「ローファーズ・ハート(怠け者の心臓)」といわれる。

 意味は説明するまでもないだろう。

 肝臓に対するアルコールと、心臓に対する運動不足のリスクを指摘した警句だ。

 運動不足の生活を続けていると、心臓の筋肉を養う血管が細く狭くなる。

 反対に長期間激しい運動を続けていると、心臓が肥大する"スポーツ心臓"になることもわかっている。

 心臓の健康のために最適なのは、汗がじわっとにじむ程度の運動を習慣的に続けることだ。

 ここまでは常識だが、朝の寝床の中では、しばらく怠け者のようにぐずぐずしてから起きるのが、心臓を丈夫に長持ちさせるコツだそうだ。

 目が覚めるなり、すぐさまベッドを飛び出すのは、感心しない。

 目覚めた直後の急激な運動は、心臓に大きな負荷をかけることになるからだ。

 目が覚めたら五分ばかり寝床の中で、顔や頭、胸や腹などをマッサージしたり、思いっきり手足を伸ばしたり、曲げたりし、深呼吸をしてから起きるのがよい。
 ━━と、心臓病の専門医に教わった。

 健康心臓12カ条

 心臓の血管が狭くなったり詰まったりする虚血性心臓病(狭心症、心筋梗塞)のもとになるのは動脈硬化だ。

 動脈硬化の危険因子は、高血圧、脂質異常症、糖尿病、肥満──かつては「死の四重奏」といわれた。

 メタボリック症候群のことだ。

 四つのうち一つ持っている人は、持っていない人の1・5~2倍、心臓病になりやすい。

 複合すると数倍になるという。

 これを防ぐ12カ条─。

 1 血圧と血中コレステロール値を正常に保つ。

 2 脂質の摂取は植物性のものを中心に(サフラー油などリノール酸系の油よりも、しそ油などαリノレン酸系の油を多く)。

 3 塩分は控えめに。

 4 甘い物を食べ過ぎない。

 5 栄養のバランスのよい食事を。

 6 腹七~八分目に。

 7 日常適度の運動を(努めて歩く)。

 8 十分な睡眠(一日7~8時間)。

 9 ストレスを上手に発散。

 10 適正飲酒を守る。

 11 禁煙または節煙。

 12 毎年1回は健康診断。

 ──こうした生活を心がけていれば、心臓のみならず全身の健康を守ることができる。



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