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急性冠症候群

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 先ごろの田子ノ浦親方(元前頭久島海)の若過ぎる急死はなんとも痛ましく、おどろいた。

 死因は「虚血性心不全」と、相撲協会は発表した。

 突然、心臓の血管が詰まって、虚血(血液の欠乏)をきたし、心臓の働きが低下する病気だ。

 発症後2時間以内の突然死がとても多く、虚血性心臓突然死といわれる。

 待ったなしの怖い病気だ。

 これを防ぐには早く病変を見つけて、適切な治療を受けること。それしかない。

 それには心臓の血管が狭くなっているだけの状態なのか、狭くなったうえに詰まりかけている状態なのかを、早い段階で区別し、手を打たなければならない。

 そこで生まれたのが、「急性冠症候群」という新しい心臓病の考え方だ。

 心臓を冠状に取り巻いている3本の血管(冠動脈)の内壁に「プラーク」と呼ばれる病変が生じ、血管が狭くなっている病気が、虚血性心疾患だ。

 プラークには、破れやすいものと、そうではないものがある。

 破裂しにくい「安定プラーク」によって冠動脈が狭くなり血液が流れにくくなるのが、一般に多くみられる安定狭心症だ。

 一方、破れやすい「不安定プラーク」の破綻によって引き起こされるのが、急性冠症候群。

 冠動脈が完全に閉塞すると、急性心筋梗塞や虚血性突然死を招き、ほぼ閉塞しかけている状態だと不安定狭心症になる。

 突然死とそうではないケースは、詰まった血管の場所によって違ってくる。

 冠動脈は、心臓の左側の前面を下る左前下行枝、後ろのほうへ回る左回旋枝、右冠動脈とあるが、このうち左の2本の血管の幹に当たる左主幹部と、左前下行枝が最も重要だ。

 血液を大動脈に送り出す左心の広い範囲を養っている血管だからだ。

 左主幹部や左前下行枝の上部が詰まると、ほとんど突発的に死を招く。

 ほかの部位の梗塞も、血管が詰まってから時間がたつほど心筋の壊死(体の組織の部分的な死)の範囲が広がり、致命的な結末を迎えることもある。

 狭心症は、胸が締めつけられるように痛くなり、動悸、息切れがするが、5分~10分ぐらい安静にしていると治まる。

 心筋梗塞は、胸中の重苦しい強い痛みや、焼けつくような激しい痛みが30分以上続く。
 一刻も早く心臓病の専門医のいる病院へ搬送しなければいけない。

 病院では、多くの場合、体への負担の少ない心臓カテーテルによる血管内治療(冠動脈インターベンション=PCI)が行われる。

 PCIの方法にもいくつかあるが、いま最も普及しているのは、金網状のステント(筒)で血管を押し広げて補強する冠動脈内ステント留置術だ。

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