暮らしのなかの健康法万般。赤ちゃんからお年寄りまでの病気の解説・予防・治療法。食生活、食品、サプリメント情報…など、面白くてタメになる実用エッセイ。

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心臓病

心筋梗塞による突然死

 昨日、古い友人の元大学教師(85歳女性)から届いた「件名:質問」のメール。

 無沙汰、時候の挨拶、ご本人の近況につづいて、

「私の教え子で、北海道で高校教師をしていた男性がまだ48歳なのに、妻子を遺して、朝、死んでいたというのです。

妻なる人から手紙で知らせてきましたが、知らないうちに死んでいたので、事件性が疑われて、警察がきて大変だったとのこと。

死因は心筋梗塞だったことが判明したとのことですが、心筋梗塞って、予兆もなく突然死するものなのでしょうか。

高校教師は悪政治によって、雑用に追い回され、肝心の教育に集中できないと、嘆いていましたが、過労なども原因になるのでしょうか。

予兆、防止について教えてください。

高校教師は教え子に大勢居ますから注意して上げたいですので。」

 当方の拙速的返事。

 はい。心筋梗塞による突然死はよく知られています。

 心臓の筋肉(心筋)に血液を供給する冠動脈は3本ありますが、血管の幹に当たる部分と、血液を大動脈に送り出す心臓の左側の広い範囲を養っている、左前枝と呼ばれる血管が詰まると、ほとんど突発的に死を招くことになるようです。

 同じように冠動脈が狭くなって血液の流れが悪くなる「虚血性心疾患」にも、差し迫った危険性のあるもの(急性冠症候群=ACSといいます)と、そうではないものとがあるわけです。

「予兆」ですが、狭心症の発作(胸しめつけられるような痛み)が生じることがあるようです。
そうした狭心痛がすぐ消失しても安心せず受診すべきです。

「防止」については、虚血性心疾患は心電図や超音波検査でわかるので、健診で異常を指摘されたら、心臓の専門医を受診し、ACSかそうではないか、見分けてもらうことが重要と思います。一般的な虚血性心疾患とACSとでは治療法が違います。

 ACSの危険因子のワーストスリーは高血圧、喫煙、糖尿病なので、それを防ぐ生活習慣(食生活、禁煙、運動、休養)がまず大切だろうと思います。

 突然死の原因の大半は心筋梗塞と脳卒中ですが、その背景には多くの場合、過労があるといわれています。

 過労死は正式な病名ではありまぜんが、いまでは「KAROSHI」として外国でも通用し、『広辞苑』にも第四版から収載されていて、「過度な仕事が原因の労働者の死亡。一九八○年代後半から一般化した語」とあります。

 過労死を防ぐために勤労者本人ができることは、疲れたら休む、特に睡眠を十分とる、この一事につきるのではないか。

 過労死すなわち睡眠不足(欠乏)死というのが、小生、多年の素人意見です。急ぎ、お返事まで。


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笑いと心臓病

「よく笑う人は心臓病になりにくい!」

9月20日、横浜市で開かれた第63回日本心臓病学会学術集会の市民公開講座「笑いと心臓病」での、榊原記念病院の循環器内科医師で日本笑い学会会員でもある住吉徹哉先生のお話を紹介します。

笑うことで病気を予防したり、治療効果があることが知られています。

それは、ストレスが病気を作るといわれ、そのストレスが身体にもたらす悪い作用を笑いによって防ぐことができる可能性があるからです。

ストレスは大脳の前頭葉などに働いて、視床下部から下垂体を介して副腎皮質ホルモンであるコルチゾールを分泌させます。

またナチュラルキラー細胞(NK細胞)の活性を抑制して、免疫力を下げます。

さらに自律神経系に働いて交感神経を緊張させ、アドレナリンなどの分泌により血圧や心拍数を上げます。

このストレスによる悪循環の経路は、笑うことによってブロックされるといわれております(笑いの脳内リセット理論)。

笑い、すなわちポジティブな感情が心臓病に効果があるという可能性を示唆した論文もあります。

 カナダでは、1700人余りを対象に、ポジティブな感情を持っている人と、そうでない人で心筋梗塞・狭心症の発症率を調査したところ、前者で発症率が下がり、後者で上がるという結果が出ました。

 また、日本でも3万8000人を12年間追跡調査し、

「あなたは生活をエンジョイしていますか」という質問に対し、

「していない」「しっかりしている」「どちらともいえない」という回答によって、

心臓病罹患率、死亡率を調べた結果、「していない」と答えた人で高いことがわかりました。

 アメリカの学会報告では、1日30分陽気に笑えば心筋梗塞の患者さんの薬の量が減らせる可能性があるという発表もされています。

住吉先生は患者さんに、薬の処方箋と一緒に「笑方箋」を渡しているそうです。

そこには「1日5回、1分以上笑うこと」と書かれています。

その効果は、心臓病のみならず、さまざまな心身の病気を改善し、ヒューマン・リレーションに役立ち、副作用はたった一つ、「笑い過ぎるとお腹が痛くなること」です。


U字形死亡率

 血液中のコレステロールは少ないほどよいというのは、大誤解だ。

 コレステロールが体に不足すると、肺炎や結核などの感染症にかかりやすくなるし、血管の壁が弱くなって破れる脳出血を起こしやすくもなる。

 8000人の男性を9年間、追跡調査したアメリカの研究で、心臓病はコレステロール値が高いほど多く、がんはコレステロール値が低いほど多いことが明らかにされている。

 脳卒中の発症が最も低くなるのは、総コレステロール値240~260ミリグラム(血液1デシリットル中)であることもわかった。

 同じような結果は、内外の他の研究でも確かめられている。

 それをグラフにすると、多すぎるほうと少なすぎるほうの両端に死亡率が高く、中くらいの人は低い、U字形になる。

 なぜ、体にコレステロールが少なくなると、がんになりやすいのか。

 コレステロールが少ないと、がんを予防するのに役立ついくつかの栄養素も不足することになるからではないか、細胞が老化しやすく、がん化しやすくなるのではないか─といわれている。


ゴルフと心臓

 ゴルフ場で心臓発作を起こして倒れたという話を聞くことが、ままある。

 スポーツ中の突然死をまとめた統計を見ても、若い人ではランニング、水泳、サッカーなどが上位を占めているが、40~65歳ではゴルフが1位、65歳以上では1位がゲートボールで、2位がゴルフだ。

 中高年者には競走、競泳、サッカーといった激しい運動をする人は少なくなるので、そのほうの事故はへるのだろう。

 それはわかるのだが、ゴルフやゲートボールのようないわばスタティック(静的)なスポーツで致命的な事故を招くことになるのは、なぜだろう。

 最大の原因は、たぶん精神的緊張だろう。

 その証拠にゴルフ場での突然死はほとんどグリーンで起きている。

 ここ一番というパットのプレッシャーが、血圧を押し上げ、心臓の血管を収縮させて、心臓発作の引き金を引くことになるのだろう。

 心筋梗塞や狭心症の発作が最も多く発症するのは、寒冷刺激によって、血管が収縮し、血圧が上がる冬だが、冬に次いで多いのは夏だ。

 夏場は、大汗をかいたとき、水分を補給しないと、脱水が生じ、血液が粘っこくなる。

 そのため、血液の流れが悪くなり、血栓ができ、血管が詰まりやすくもなるのだろう。

 コースへ出る前、プレイ中、水分の適切な補給を──。

 もっとも、グリーンで倒れたからといってすべて心臓発作とは限らない。

 脳卒中のこともあるだろうし、夏場だと熱中症のこともある。

 心臓発作でも、狭心症は、グリーンよりもむしろ坂道などを歩いているときに起きることが多いようだ。

 過去に狭心症の発作を経験している人は、ニトログリセリンの錠剤を携帯しているはずだから、腰を下ろし、ニトロを舌下にふくめば、ほどなく症状は落ち着く。

 初めての発作だったが、パートナーが持っていたニトロで助けられたという例も少なくないようだ。

 意識がしっかりしている場合の対応はそれでよい(むろん、プレイは中止する)が、問題はパッタリ倒れて、意識を失った場合だ。

 このとき、パートナーがまず行わねばならないのは、呼吸と脈の確認だ。

 1 鼻と口に手のひらを当て、吐く息が感じられるかどうかを調べる。

 吐く息が感じられない場合、舌根が沈下して気道をふさいでいるのだ。

 2 人差し指と中指をあごの先に当て、もう一方の手を額に当て、あご先を持ち上げるようにしながら、額を静かに押し下げるようにして、頭を後ろに反らせる。

 3 人差し指と中指を頸動脈に当て、脈がふれているかどうか確かめる。

 呼吸と脈拍が確認できたら、安静にして救急車を待つ。

 4 呼吸と脈拍が確認できなかったら、大声を上げて、AED(自動体外式除細動器)を持ってきてもらおう。

 5 AEDがくるまで心臓マッサージ(胸骨圧迫)を休まずに行う。

 6 心臓マッサージのやり方=倒れている人の胸の真ん中(乳頭と乳頭を結ぶ線の真ん中)に手のかかとの部分を重ねてのせ、肘を伸ばしたまま真上から強く(胸が4~5センチ程度沈むまで)押す。

 7 AEDには、だれでも使えるように音声のガイドと図がついていて、自動的に心臓の状態をチェックし、使わなくてもいい場合は、器械は動かない。

 使用法を間違える心配はない。 ためらわず、使おう。

 こうした事故を招かないため、心臓病の既往歴をもつ人は、なるべく坂道の少ない、慣れたゴルフ場を選び、少しでも体調が悪かったら(不義理を恐れず)コースに出るのをやめることだ。

 なお、ニトロには「使用期限」がある。

 期限を過ぎた薬や、期限内でも錠剤をむきだしにしていると、成分が揮発して薬効が薄れてしまう(舌先でなめてみてピリッとこなかったら薬効が薄れた証拠)。

 シートなどに明示された使用期限を確かめて、いつも新しい薬を携帯するようにしよう。


AEDを知ろう

 だれでも使える!

 いろんなところでAED(自動体外式除細動器)を目にする。

 しかし実際に使ったことがある人はごく少ないだろう。

 AEDはその名のとおり「体外(裸の胸の上)」に貼った、電極のついたパッドから「自動的」に心臓の状態を判断し、

 もし心臓まひ(心室細動という不整脈の状態)を起こしていたら、強い電流を一瞬、流して心臓に電気ショックを与え、心室の「細動」を「除」き、

 心臓の状態を正常に戻す器械だ。

 AEDは、初めての人でも簡単に使えるように設計されている。

 ボタンを押す(あるいはフタを開ける)と、電源が入り、あとは音声が順々に指示してくれる。

 倒れている人の胸をはだけ、シールのような電極パッドを、そのパッケージに描かれた位置にしっかり貼り、器械の自動診断を待つ。

 電気ショックが必要と器械が判断したら、「ボタンを押してください」と音声の指示が出るので、ボタンを押す。

 電気ショックが必要ない場合は、ボタンを押しても電気は流れない。

 操作を間違えても大丈夫。

 ためらうことなく、すぐさま使おう。

 あなたが救う!

 人が突然、倒れて意識を失ったら、心臓が心室細動という不整脈を起こしている可能性がある。

 心臓を動かしている電気系統(心臓の右上部から出る微かな電気が伝わるしくみ)が何らかの原因で混乱すると、リズミカルな収縮が行えなくなる。

 その不整脈の中でも特に心臓の血液を全身に送り出す心室がブルブル震え、血液を送り出せなくなった状態(心停止状態)が心室細動だ。

 心室細動が起こると、脳や腎臓、肝臓など重要な臓器に血液が行かなくなり、やがて心臓が完全に停止する。

 心臓が原因の突然死の多くは心室細動によるものだ。

 心室細動が起こると、1分ごとに約10%、助かる確率が減っていくといわれる。

 救急車が現場に到着するまでの時間はおよそ6分。

 救急車を待っていたのでは助かる確率がかなり低くなる。

 しかし近くにAEDがあって、そこにいる人がすぐに操作すれば、救命率はぐんと高くなる。

 「あなたにも救える命があります」(AED普及広告)。

 AEDには音声ガイド機能がついている。

 使い方は器械が教えてくれる。

 初めての人でもすぐ使うことができるが、人が倒れたときなどは、なかなか冷静に動けない。

 AEDの使い方だけでなく、119番への通報や心臓マッサージ(胸骨圧迫)なども含め、消防署や講習会などで救命救急の方法を経験しておこう。

 幼児も妊婦も!

 AEDは、1歳以上8歳未満(体重25㌔㌘以下)の場合、小児用電極パッド(パッドのサイズが小さく、流れる電流が成人用の3分の1程度)を使うことが望ましい。

 それがなかったら、成人用のAEDを使用してもよい。

 もし倒れている人が妊婦の場合、AEDを使っても大丈夫か?

 電気ショックが胎児に悪い影響を及ぼすのではないか?

 AEDの講習会でそう質問されることが多いという。

 もっともな心配だ。

 しかし、心室細動を起こしている人を救命する方法は、AEDによる電気ショック以外にはない。

 また、心肺停止状態が続けば胎児への酸素供給も滞っていると考えられる。

 母親を早急に蘇生(そせい)させることが、母子双方の命を救うことにつながる、と専門家は答えている。


サイレント・キラー

 きょう5月17日は「世界高血圧デー」。

 国際高血圧学会が2005年に創設した。

 日本でも日本高血圧学会と日本高血圧協会が、同じ日を「高血圧の日」と定めて、啓発運動を行っている。

 高血圧は、日本人の三大死因(がん、心臓病、脳卒中)のうちの二つ─心臓病と脳卒中─を引き起こす最も主要な原因だ。

 高血圧は痛くもかゆくもない。

 サイレント・キラー(静かなる殺し屋)と呼ばれる。

 自覚症状がないので、気づいてない人、甘くかんがえている人が、非常に多い。

 全国の高血圧患者は約4000万人と推定されているが、きちんと治療を受けているのはわずか2割、約800万人に過ぎない。

 高血圧を知る方法は、腕をまくってやる血圧測定しかない。

 日本高血圧学会と日本高血圧協会は、

「ウデをまくろう、ニッポン!」

 ──と、キャンペーンを展開している。

 血圧には、「上」と「下」がある。

 上は、心臓が収縮して血液を動脈へ送り出したときの血圧で、収縮期血圧、最大または最高血圧ともいう。

 下は、心臓が拡張して血液が静脈から心臓に入ってくるときの血圧で、拡張期血圧、最小または最低血圧ともいう。

 高血圧治療ガイドラインによる、高い血圧を下げる目標とする血圧値は、

 65歳以上の人=140─90mmHg未満。

 65歳以下の人=120─85mmHg未満。

 腎障害・糖尿病を合併している人=130─80mmHg未満。

 最も望ましい至適血圧値は、120─80mmHg未満とされている。


急性冠症候群

 
 先ごろの田子ノ浦親方(元前頭久島海)の若過ぎる急死はなんとも痛ましく、おどろいた。

 死因は「虚血性心不全」と、相撲協会は発表した。

 突然、心臓の血管が詰まって、虚血(血液の欠乏)をきたし、心臓の働きが低下する病気だ。

 発症後2時間以内の突然死がとても多く、虚血性心臓突然死といわれる。

 待ったなしの怖い病気だ。

 これを防ぐには早く病変を見つけて、適切な治療を受けること。それしかない。

 それには心臓の血管が狭くなっているだけの状態なのか、狭くなったうえに詰まりかけている状態なのかを、早い段階で区別し、手を打たなければならない。

 そこで生まれたのが、「急性冠症候群」という新しい心臓病の考え方だ。

 心臓を冠状に取り巻いている3本の血管(冠動脈)の内壁に「プラーク」と呼ばれる病変が生じ、血管が狭くなっている病気が、虚血性心疾患だ。

 プラークには、破れやすいものと、そうではないものがある。

 破裂しにくい「安定プラーク」によって冠動脈が狭くなり血液が流れにくくなるのが、一般に多くみられる安定狭心症だ。

 一方、破れやすい「不安定プラーク」の破綻によって引き起こされるのが、急性冠症候群。

 冠動脈が完全に閉塞すると、急性心筋梗塞や虚血性突然死を招き、ほぼ閉塞しかけている状態だと不安定狭心症になる。

 突然死とそうではないケースは、詰まった血管の場所によって違ってくる。

 冠動脈は、心臓の左側の前面を下る左前下行枝、後ろのほうへ回る左回旋枝、右冠動脈とあるが、このうち左の2本の血管の幹に当たる左主幹部と、左前下行枝が最も重要だ。

 血液を大動脈に送り出す左心の広い範囲を養っている血管だからだ。

 左主幹部や左前下行枝の上部が詰まると、ほとんど突発的に死を招く。

 ほかの部位の梗塞も、血管が詰まってから時間がたつほど心筋の壊死(体の組織の部分的な死)の範囲が広がり、致命的な結末を迎えることもある。

 狭心症は、胸が締めつけられるように痛くなり、動悸、息切れがするが、5分~10分ぐらい安静にしていると治まる。

 心筋梗塞は、胸中の重苦しい強い痛みや、焼けつくような激しい痛みが30分以上続く。
 一刻も早く心臓病の専門医のいる病院へ搬送しなければいけない。

 病院では、多くの場合、体への負担の少ない心臓カテーテルによる血管内治療(冠動脈インターベンション=PCI)が行われる。

 PCIの方法にもいくつかあるが、いま最も普及しているのは、金網状のステント(筒)で血管を押し広げて補強する冠動脈内ステント留置術だ。


続・心臓を大切に!

 心臓と運動

「ドリンカーズ・リバー(酒飲みの肝臓)」、「ローファーズ・ハート(怠け者の心臓)」といわれる。

 意味は説明するまでもないだろう。

 肝臓に対するアルコールと、心臓に対する運動不足のリスクを指摘した警句だ。

 運動不足の生活を続けていると、心臓の筋肉を養う血管が細く狭くなる。

 反対に長期間激しい運動を続けていると、心臓が肥大する"スポーツ心臓"になることもわかっている。

 心臓の健康のために最適なのは、汗がじわっとにじむ程度の運動を習慣的に続けることだ。

 ここまでは常識だが、朝の寝床の中では、しばらく怠け者のようにぐずぐずしてから起きるのが、心臓を丈夫に長持ちさせるコツだそうだ。

 目が覚めるなり、すぐさまベッドを飛び出すのは、感心しない。

 目覚めた直後の急激な運動は、心臓に大きな負荷をかけることになるからだ。

 目が覚めたら五分ばかり寝床の中で、顔や頭、胸や腹などをマッサージしたり、思いっきり手足を伸ばしたり、曲げたりし、深呼吸をしてから起きるのがよい。
 ━━と、心臓病の専門医に教わった。

 健康心臓12カ条

 心臓の血管が狭くなったり詰まったりする虚血性心臓病(狭心症、心筋梗塞)のもとになるのは動脈硬化だ。

 動脈硬化の危険因子は、高血圧、脂質異常症、糖尿病、肥満──かつては「死の四重奏」といわれた。

 メタボリック症候群のことだ。

 四つのうち一つ持っている人は、持っていない人の1・5~2倍、心臓病になりやすい。

 複合すると数倍になるという。

 これを防ぐ12カ条─。

 1 血圧と血中コレステロール値を正常に保つ。

 2 脂質の摂取は植物性のものを中心に(サフラー油などリノール酸系の油よりも、しそ油などαリノレン酸系の油を多く)。

 3 塩分は控えめに。

 4 甘い物を食べ過ぎない。

 5 栄養のバランスのよい食事を。

 6 腹七~八分目に。

 7 日常適度の運動を(努めて歩く)。

 8 十分な睡眠(一日7~8時間)。

 9 ストレスを上手に発散。

 10 適正飲酒を守る。

 11 禁煙または節煙。

 12 毎年1回は健康診断。

 ──こうした生活を心がけていれば、心臓のみならず全身の健康を守ることができる。


心臓を大切に!


 アスピリン

 天皇陛下の心臓手術が報じられたころ、親しい友人が狭心症の発作に襲われ、救急車で搬送されるということがあった。

 心細いこと限りなし......。

 狭心症の発作は、胸の真ん中辺りか、少し左寄り、ときには首やあごの辺りまでの一帯に、数十秒から十数分間、圧迫感や苦しさ、痛みを訴える人が多いようだ。

「左手がしびれる」という人や、背中や胃、歯、歯茎の痛みを訴える人もあり(放散痛という)、心臓とは気づかない人もあるようだ。

 同じ虚血性心疾患でも心筋梗塞のほうが痛みの程度が強く、長く続くが、痛みの性質は狭心症とよく似ている。

 どちらも心臓を動かす筋肉(心筋)への血流が一時的に途絶える(虚血)ために起こるからだ。

 友人は、病院で一泊し、ニトログリセリンの錠剤とアスピリンをもらって退院した。

 ニトロは、こんどまた発作が起きたときに用いる(舌下に含む)。

 アスピリンは、発作を予防するための薬で、1日おきに1錠のむようにいわれたという。

 アスピリンが、心臓病患者の再発予防に有効であるのは、1970年代から知られていたが、健康な人の心臓発作予防にも有効であることが、90年代半ばにハーバード大学の研究グループが確認し、報告した。

 心臓発作の原因は、心臓の血管(冠動脈)が部分的に狭くなって、血液の流れがとどこおったり(狭心症)、そこに血栓ができて血管が詰まったりする(心筋梗塞)ためだが、アスピリンは、血栓をつくる血小板の凝集を抑える。

 ところが、アスピリンには、血小板の凝集を促す逆の薬理作用もあることが、近年の研究でわかった。

 量が少ないばあいは血小板の凝集を抑えるが、量が多すぎると血小板が凝集しやすくなる。

「アスピリンジレンマ」と呼ばれるこの薬理作用に対応するには、アスピリンの服用量を必要最小限にしなければならない。

 1錠を1日おきにのむのが丁度いいそうだ。

 ハートケア情報

 心臓病が脳卒中を追い抜き、がんに次ぐ日本人の死因2位となったのは、1986年だった。

 心臓病にもいろいろあるが、死因の大半を占めるのは、心筋梗塞だ。

 生まれてから死ぬまで休みなく働きつづける心臓は、心筋という特別な筋肉でできている。

 この心筋に血液(酸素と栄養)を供給しているのが、心臓を冠状に取り巻いている3本の大きな血管=冠動脈だ。

 冠動脈の一部が狭くなって、血液が流れにくくなるのが、狭心症。

 狭くなったところに血栓が詰まって、血流がストップしてしまうのが、心筋梗塞だ。

 まとめて虚血性心疾患と呼ばれる。

 虚血とは、血液が虚する(不足する)という意味だ。

 長生きというのは、要するに心臓が長持ちしているということであり、

 冠動脈の中をサラサラ血液が、スムーズに流れている。

 健康の第一条件は、それだ。

「心臓の鼓動─それはあなたの健康リズム」

 ──とは、WHO(世界保健機関)の、ある年の世界保健デーのスローガンだった。

 心臓を長持ちさせるには、まずあなた自身の日ごろの心がけが大切である。

 その手助けをしてくれるのが、ハートケア情報委員会のホームページ。

 季節ごとの心臓病情報、ハート用語集、専門医の相談室などを提供している。

 小冊子「防げる、治せる、心臓病」<予防編><検査編><治療編>、「患者さん体験談」を無料配布している。

 詳しくは同委員会のHPを──。


フットケア

 きょう2月10日は、ことしから「フットケアの日」だ。

 糖尿病や末梢動脈疾患(PAD)/閉塞性動脈硬化症(ASO)による足の病変の予防、早期発見・早期適切治療の大切さを知ってもらおうと、日本フットケア学会、日本下肢救済・足病学会、日本メドロック株式会社が、決めた。

 PAD、ASOは、足の動脈が狭くなったり、詰まったりした結果、血液の流れが悪くなる状態だ。

 糖尿病になると、末梢神経が鈍くなって、靴ずれ、まめなど足の小さな傷に気づきにくく、潰瘍や感染が起こりやすい。

 そのままにしておくと、ついには足の切断にまで進展してしまう。

 昭和を代表する歌手「王将」の村田英雄さんが、晩年、両足をひざ下から失ったのも、持病の糖尿病が悪化し、ASOを発症したためだった。

 この病気の初期には、足の異変に気づきにくい。

 病気が進むにつれて、下のような症状が現れる(「フォンテイン分類」という)。

 1度 足の冷感 しびれや色調の変化(蒼白)。

 2度 間欠性跛行(かんけつせいはこう)=少し歩くと、足がしびれて痛くなり、しばらく休むとまた歩けるようになる。

 3度 安静時疼痛=じっとしていても痛みが生じる。

 4度 潰瘍や組織欠損=きわめて重症。

 PAD/ASOの基盤には動脈硬化がある。

 フォンティン分類は、つまり足の動脈硬化の進行度である。

 動脈硬化というのは、部分的に起こるものではない。

 足に起こっていたら、胸にも、頭にも、腹にも起こっている。

 足の動脈硬化は、全身の動脈硬化の一部分症にほかならない。

 Legs for Life(足と生命予後の関連)に関する多くのさまざまな研究により、足のしびれや痛みを放っておくと、心筋梗塞や脳卒中を併発する例が多く、早死にすることが明らかになっている。

 足がしびれる、痛む、足の傷がなかなか治らない──といったようなときは、早く専門医に診てもらおう。

 PAD/ASOは、血管の病気だから、診療は循環器科や血管外科で行われる。



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